ノキア（Nokia）がアルカテル・ルーセント（Alcatel-Lucent：以下、アルカテル）の携帯通信関連事業を買収する可能性が濃厚になっているとする情報筋の話を、FTやBloombergなど複数の媒体が米国時間13日に報じている。

FTなどによると、現在両社の間ではアルカテルの携帯通信関連事業をめぐる売買の交渉がかなりの段階まで進んでおり、Bloombergでは交渉が物別れに終わる可能性も残っているものの、早ければ今週中にも両社が合意に達する可能性もあるとしている。

ノキアは現在世界の通信機器市場でエリクソン（Ericsson）、ファーウェイ（Huawei）に次ぐ第3位だが、アルカテルの携帯通信事業を買収した場合、売上高でファーウェイを追い抜くことになるとBloombergは指摘している。またチャイナモバイル（China Mobile）、ソフトバンク、テレフォニカ（Telefonica）といったアジアや欧州の通信キャリアを大口顧客とするノキアに対し、アルカテルではベライゾン（Verizon）ならびにAT&Tとの取引が売上の約25％を占めていることから、地理的な補完効果も期待できるという。

ノキアは1年前に完了したマイクロソフトへの端末事業売却以降、携帯通信関連事業へのシフトを進めてきており、先日には同社の地図事業「HERE」売却の可能性も浮上していることが報じられていた。

なお、Bloombergでは、アルカテルの携帯通信事業の評価額について115億ドルという推定金額が示されている。また両社の話し合いのなかでは、ノキアがアルカテル全社を買収する可能性も議題に上っているものの、金額などの点から結局携帯通信関連事業だけの取引になるのではないかとするアナリストの見方も紹介されている。

【参照情報】
・Nokia nears bid for Alcatel-Lucent assets - FT
・Nokia in Advanced Talks to Acquire Alcatel-Lucent Assets - Bloomberg
・Nokia close to buying Alcatel's mobile networks unit: Les Echos - Reuters
・New Nokia Equipped to Make a Deal With Alcatel-Lucent - Bloomberg