ノキア「HERE」事業争奪戦が加熱の気配 - ノキアCEOは慎重姿勢
Nokia wants to think well before making final decision
2015.05.25
Updated by WirelessWire News編集部 on May 25, 2015, 11:19 am JST
Nokia wants to think well before making final decision
2015.05.25
Updated by WirelessWire News編集部 on May 25, 2015, 11:19 am JST
フィンランドのノキア(Nokia)が売却を検討する同社の地図事業「HERE」について、一部の企業が買収オファーを出しているとする話は既報のとおりだが、同事業の処分についてノキアのラジーブ・スリ(Rajeev Suri)CEOが欧州時間22日、とくに急ぐつもりはないという姿勢を示したという。
同CEOは、業界誌European Communicationsとのインタビューで、「HERE事業に対して非常に大きな関心が寄せられている」とした上で、「適切な評価額がつかなければ、売却を見送る可能性もある」と述べたという。
WSJによると、「HERE」については、世界各地で配車アプリ/サービスを提供する米ベンチャーのユーバー(Uber)がバイドゥおよび英国VCのエイパックス・パートナーズ(Apax Partners)と共同で入札することに合意。また、中国のテンセント(Tencent Holdings)とナブインフォ(NavInfo Co.)、スウェーデンのEQTパートナーズ(EQT Partners)の3社からなる企業グループも「HERE」買収を目指しており、最大で40億ドルの金額を提示する用意があるとする話も報じられていた。さらに、マイクロソフト(Microsoft)からも「HERE」株式の一部取得に関するオファーが出されているほか、プライベートエクイティ会社のシルバーレイク(Silver Lake Management)、ヘルマン&フリードマン(Hellman & Friedman)、 トーマ・ブラーボ(Thoma Bravo)なども買収競争に加わっていると伝えられている。
このほか、HEREのデータを利用しているBMW、アウディ(Audi)、メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)の独大手自動車メーカー3社もプライベートエクイティ会社のゼネラル・アトランティック(General Atlantic)と組んで、「HERE」獲得に向けた入札を行ったとWSJでは記している。
ノキアが欧州時間4月30日に発表した四半期決算によれば、2015年第1四半期の「HERE」事業の売上は前年同期比25%増の2億6100万ユーロで、利益は同21%増の1億9400万ドルとなったという。また、同期に自動車メーカー各社が「HERE」のライセンス認証を受けた自動車数は前年同期比29%増の360万台になっていた。
なおWSJは22日付で、ユーバーが複数の大手銀行に接触し、10億ドルの融資枠設定をめざしているとする話も伝えている。この記事によると、ユーバーはすでに通常の営業用資金は必要ない状態にあることから、この借入がHERE買収資金の一部として使われる可能性もあるという。
【参照情報】
・Exclusive: I’ve learned the lessons and we’re going to do this my way, says Nokia CEO - European Communications
・Nokia Seeks Higher Bids for Mapping Unit - WSJ
・Nokia CEO: We don't know yet if we'll sell Here mapping business - CNET
・Audi Is Open to Other Carmakers Joining Bid for Nokia’s HERE - Bloomberg
・Uber in Talks for $1 Billion Credit Facility With Banks - WSJ
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