Image by Michael Coghlan (CC-BY-SA)
中国Xiaomi、スマホの次は「オンライン・ローン事業」
Xiaomi to launch online loan service
2015.06.23
Updated by Hitoshi Sato on June 23, 2015, 15:29 pm JST
Image by Michael Coghlan (CC-BY-SA)
Xiaomi to launch online loan service
2015.06.23
Updated by Hitoshi Sato on June 23, 2015, 15:29 pm JST
中国最大のスマートフォンメーカーXiaomi(小米)は2015年6月、オンラインでのローン事業を開始するために5,000万ドル出資して、子会社を設立したと報じられた。オンラインでのローン事業とは、「お金を貸して利息を付けて返してもらう」、いわゆる「個人向け消費者金融」である。Xiaomiが提供しているモバイル決済プラットフォームの普及を目指しているとのこと。
アプリを立ち上げて、簡単にお金が借りられる仕組みで提供するとのことで、ローンの上限は30,000人民元(約60万円)とかなり高い額である。 Xiaomiは、2015年末までには計20億人民元(約4,000億円)のローン金額、2017年末までには750億人民元(約1兆5,000億円)にまで達成すると見込んでいる。
Xiaomiのスマートフォンを利用しているユーザーだけが利用できるのか、どのスマートフォンを利用しているユーザーでも利用できるのかは明らかにされていない。しかしXiaomiが中国市場ではかなり浸透してきているとはいえ、Xiaomiのみのユーザーでは利用者が限定されてしまうことから、誰もが利用できるようにすると考えられる。そうしないと2017年末までに750億人民元(約1兆5,000億円)のローン金額は達成できないだろう。
中国では携帯電話出荷総数のうち、スマートフォンが90%以上を占めている。中国では2014年の1年間で4億台以上が出荷されている。Xiaomiは中国企業として急成長してきており中国市場では2014年に4,000万台以上を出荷している。それでも人気はまだiPhoneの方が高い。中国ではお金に余裕のある人はiPhoneを欲しがり、Xiaomiは「iPhoneは高いから買えないけど、Xiaomiなら安いから購入できる」という人が購入することが多い。
また他の中国のスマートフォンメーカーからの追い上げも厳しい。メーカーとしての製品のイノベーションにも限界がある。そこで目を付けたのがオンラインでのローン事業なのだろう。「オンラインでお金を貸して、それに利息を付けて返してもらう」ビジネスはスマートフォンを製造して販売するよりも、利益率も遥かに良い。
Xiaomiは競争が厳しく、飽和しつつある中国のスマートフォン市場だけでは勝負するのが難しいことから、東南アジアなどでもスマートフォン販売に進出している。今後は中国市場で培ったオンライン・ローンビジネスで、アジア市場を席巻するかもしれない。
【参照情報】
・Xiaomi launches online small loan service: report
・China market: Xiaomi launching consumer loan company, says report
・Xiaomi Debuts Online Loan Service
・Xiaomi Setting Up Online Financial Services Company
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。