アップル（Apple）が、米国で独自のMVNO（仮想移動体通信事業）サービスの実験を開始する予定で、欧州の携帯通信事業者とも同様の実験実施に向けた話し合いを進めているという。Business Insiderが情報筋の話として米国時間3日に報じた。

Business Insiderによると、アップルが米国で行うトライアルは内輪向けのもので、具体的な開始時期などは明らかにされていない。また現時点では、この計画が実験だけで終わる可能性も残っており、サービスが本格に展開されるとしても少なくとも5年はかかる可能性があるという。

同媒体によると、アップルは以前からMVNOサービスに関して話し合いを続けてきており、携帯通信業界関係者の間では同社によるMVNOサービス提供は公然の秘密となっているという。

またBusiness Insiderでは、アップルが「iCloud Voicemail」という留守番電話サービスのテストを行っているとする米国時間3日の報道に触れながら、こうした動きもMVNOサービス提供と関連があるとの可能性を指摘。さらにアップルが2014年にリリースした「Apple SIM」と呼ばれる独自のSIMカードが、MVNOサービス提供の布石となるとも記している。なお、Apple SIM」は、ソフトウェア側で携帯通信事業者のネットワークを選ぶことで、複数の事業者を随時切り替えて利用できる仕組み。

なお、グーグルはすでにスプリント（Sprint）とT-モバイル（T-Mobile USA）のネットワークを利用したMVNOサービス「Project Fi」を実験的に提供している。

【参照情報】
・Apple is in talks to launch its own virtual network service in the US and Europe - Business Insider
・Reported Apple MVNO service: Breaking iPhones free from carriers - ZDNet
・Apple is testing its own phone service, reports Business Insider - The Verge