NBCやWSJなどが米国時間16日に報じたところによると、米運輸省（U.S. Department of Transportation）がまもなく、ドローンの購入者全員に対して登録を義務づける計画を発表する見通しだという。

米国では今年に入って、ドローンが航空機やヘリコプターなどの飛行を邪魔するケースが急増している。WSJでは米連邦航空局（FAA）の話として、航空機のパイロットが飛行中にドローンと遭遇した例が、昨年は1年間で238件であったのに対し、今年は8月9日までで650件以上に達していたとしている。またNBCでは、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で今年7月、民間航空機とドローンが約30mの距離まで接近する事件が発生していたことや、カリフォルニア州で山火事の消火にあたる消防ヘリコプターの運行がドローンによって妨げられるという事件が生じた例などを紹介している。

米国ではすでに、飛行場周辺や高度400フィード以上でのドローンの飛行を禁じるなどの内容を含むルールが存在するが、米規制当局はドローンの登録義務づけにより、こうしたルールの徹底を図りたい考えとWSJでは記している。

WSJによると、米運輸省は新ルールの検討を行うタスクフォースを今週中にも編成し、同タスクフォースを通じて、登録を義務化するドローンの種類や登録方法、新たな制度をすでに販売されたドローンにも適用するかなどの点を詰めた上で、今年のクリスマスまでに新たなルールを実施に移したい考えという。またNBCでは米政府とドローンメーカー各社が共同で登録の仕組みづくりを進めることになるとしている。

なお、FAAは今年2月にドローンの商用利用に関するルールを発表していたが、同ルールの最終決定は来年まで持ち越される見通しとWSJは記している。

【参照情報】
・U.S. Will Require Drones to Be Registered - NBC News
・Drone Owners to Be Required to Register Devices - WSJ
・US government will reportedly require all drone purchases to be registered - The Verge