米大手金融機関のJPモルガン・チェース（JPMorgan Chase & Co）が現地時間26日、「Chase Pay」という新たなモバイル決済サービスを発表。アップル（Apple）の「Apple Pay」やグーグルの「Android Pay」と競合するサービスとして複数の媒体がこの話題を採り上げている。

JPモルガン・チェースでは、「Chase Pay」の展開にあたって、米大手小売事業者などが参加するモバイル決済団体「Merchant Customer Exchange」（以下、MCX）と提携。 MCXには、大手小売チェーンのウォルマート（Wal-Mart）、ターゲット（Target）、セブンイレブン（7-Eleven）、シアーズ（Sears）、ベストバイ（Best Buy）、それにシェル（Shell）やスノコ（Sunoco）といったガソリンスタンド・チェーン、大手のファミレスチェーンなどの企業が参加しており、 全社の年間売上高は合計で約1兆ドル規模に達するという。

JPモルガン・チェースには、同社発効のクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードを利用する顧客が米国内に約9400万人おり、同社はまずこれらのカード利用者向けとして「Chase Pay」のサービスを提供する予定。サービスの具体的な開始時期については、2016年半ばとされている。

米モバイル決済市場では、アップルが昨年10月に投入した「Apple Pay」が先行しており、すでに80社を超える金融機関が同システムに対応するカードを発行している。ただし、同サービスの普及は予想より遅れているとされ、米国の小売業者上位100社のを対象にReutersが実施した調査では、「Apple Payを今年中に導入する予定はない」と答えた回答者が全体の3分2を占めていたという。

【参照情報】
・JPMorgan Challenges Apple Pay With Mobile App Offering Discounts - Bloomberg
・J.P. Morgan Chase Retooling Chase Pay Product Next Year - WSJ
・JPMorgan Chase says it is building a rival to Apple Pay - Reuters