バイル決済関連ベンチャーの米スクウェア（Square）が、IPOの株式売出価格を1株11〜13ドルに設定したことが米国時間6日に明らかになった。株式公開後に株価が低迷するテクノロジー系企業が目立つなか、スクウェアによるこのダウンラウンドでのIPOの行方に注目が集まりそうだ。

スクウェアはIPOで2700万株を売り出す予定だが、1株11〜13ドルという株価では同社の評価額は約39億ドルにしかならず、前年に資金調達を実施した際の評価額60億ドルを大きく下回ることになる。また同社は、これまでに行った資金調達のなかで、一部の投資家とIPO時の株価が約束の金額を下回った場合に差額を埋め合わせるための株式の追加発行を行うとする契約を交わしていた。この追加発行の規模について、WSJではIPO株価が12ドルとなった場合全体の約1.6％にあたる530万株が発行されることになるとしている。

スクウェアの今年9月末までの業績は、売上が前年比49％増の8億9280万ドルとなったものの、損失も前年の1億1700万ドルから1億3150万ドルへと拡大したという。

WSJによれば、昨年はじめから今年11月初旬までに株式公開したテクノロジー系企業50社のうち13社の評価額が株式公開前の評価額を下回っており、また今年ここまでのIPO件数も22社と前年の51社から大きく減少しているという。

【参照情報】
・Square Sets Conservative I.P.O. Price Range - NYTimes
・Square’s IPO Terms Put Valuation Below Latest Funding Round - WSJ
・Square sets IPO price range, would be valued below last private round - Fortune