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フォーミュラ

アルゴリズムとAIによる戦い - フォーミュラEの「ロボレース」、時速300km超に挑戦

2015.11.30

Updated by WirelessWire News編集部 on November 30, 2015, 10:35 am JST

自動車レースの分野にも「自動走行車(無人車)の時代到来」というニュースが先週末に流れていた。

電気自動車によるレースを2014年から開催しているフォーミュラE(Formula E)が英国時間27日、英ベンチャー企業のキネティック(Kinetik)と共同で、無人車によるレース「RoboRace」を開催する計画を発表した。参加チームなどはまだ固まっていないが、主宰者側では来年(2016ー2017シーズン中)にも同シリーズを開催したい考えだという。

「RoboRace」の概要は、Formula Eのレース当日に同レースのコースをつかって制限時間(1時間)内に走行できる距離を争うというもの。主宰者側では10チームの参加を見込んでおり、各チームには2台づつ車輌が提供されることになるという。なおFormula Eの来シーズンの開催地は不明。

「RoboRace」で一番の注目点は、このレースが「リアルタイム計算アルゴリズムと人工知能による戦い」になる、というところ。これはキネティックが参加各チームに同じ車体と基本的なソフトウェアを供給するためで、各チームはキネティックの提供するAPIを利用して独自の技術を開発・実装することになるという。

また、フォーミュラEでは「RoboRace」の目的として「自動車ならびに情報関連技術の未来がすでに存在し、極限的な状況下でも機能することを示すこと」を挙げている。この点について「RoboRaceの車輌は最高時速300kmを超えるものになる」とするキネティック関係者の話がWired UKでは紹介されている。なお、この話題に触れたThe Vergeによると、現行のFormula Eレースは最高速が時速140マイル(約225km/h)前後。また自動走行車の最高速記録は独アウディ製レースカー「RS7」が2014年10月にマークした時速約149マイル(約225km/h)だという。

参加チームの募集についてはこれから行われる模様だが、フォーミュラEのアレハンドロ・アガグ(Alejandro Agag)CEOはWired UKに対し、「RoboRace」への参加・関与を期待する企業として、グーグル(Google)、ユーバー(Uber)、独コンチネンタル(Continental Automotive)、独ロバート・ボッシュ(Robert Bosch)などの名前を挙げている。また発表のなかでは、少なくとも1チームを「クラウドソーシング型のコミュニティチーム」(crowd-sourced community team)にしたい考えと述べている。

「RoboRace」が実施された場合、時速約200kmを超えるスピードで走行するレースカー同士が競い合う状況で、各車輌に搭載されたコンピュータやセンサー類、レーダーなどがどう反応するか、あるいは車輌同士がどう衝突を回避するかなどはといった点に大きな注目が集まるものと予想される。

【参照情報】
Formula E & Kinetik announce driverless support series - Formula E
Formula E announces the world's first driverless car racing series - The Verge
Formula E announces 300kph 'RoboRace' championship - Wired UK
Roborace: Formula E launches initiative to race driverless electric cars - The Guardian

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