Facebookに対して新たな確度からの疑念が提起。またスマートフォンなどの音声入力機能に対する警告もなされている。各ニュースの詳細については、原文のリンクを参照されたい。
法律・規制
捜査の容疑は反トラスト法における「支配的地位の乱用」だが、背景にはプライバシーデータの取り扱いへの疑念がある模様。
ドイツの反トラスト当局がFacebookを「支配的地位を乱用した可能性」で調査開始
Facebook's Data Dominance Risks European Antitrust Clampdown
ドイツの反トラスト当局は、FacebookがSNS市場における支配的地位を利用して、ユーザーに対して個人情報の利用承認を強制した可能性があるとして、調査を開始した。また欧州委員会や他のEU加盟国の競争監督機関と緊密に協力するという。Facebookは、法に準拠しているとして捜査の協力を表明しているが、同社はこれまでEU諸国とプライバシーの面で衝突してきており、欧州委員会スポークスマンは同社の「EUデータ保護指令に反するような企業の行為が、反トラスト法の操作対象になる可能性がある」とのコメントを出している。
米国企業は現実的に対応可能なルールがいちはやく適用されることを望んでおり、データ移転に関して有効な選択肢が消滅することを恐れている。
欧州委員は6月末までのプライバシーシールド承認を希望、実現までには多くの課題が残る
Commission wants EU-US ‘Privacy Shield’ by end of June
欧州委員会は2月29日に欧米間のデータ移転に関する「プライバシーシールド」条約を発表し、6月までの承認を期待しているが、プライバシー擁護派からは批判が出ている。またEU指令第29条作業部会からの修正案や欧州司法裁判所によるテストなど、他にもハードルは残っている。プライバシーシールドには多くの論点があるが、最大の対立点は安全保障と市民的自由の最良のバランスをいかに実現するかであり、いまなお当局や市民、企業がそれぞれの立場から発言したり解決方法を探っている段階だ。
IoTは現在、データの観点からプライバシー法などの範疇だが、今後もそれで対応可能なのか疑問が残る。
ビジネス
モバイルデバイスを利用する手法以外にも、顔認識など屋外で人の動きを把握し分析する技術はすでにいくつも登場している。
モバイルデバイスの位置情報を用いて、屋外看板広告の価値向上を図る取り組みが開始
See That Billboard? It May See You, Too
屋外看板広告を取り扱うClear Channel Outdoor Americas社、携帯電話による人の行動パターンを集めて、広告看板の価値向上に取り組むことを発表した。古い広告において最新のデジタル広告並みの効果測定を実現するという。一方で、企業はこうした手法はすでに一般的なものだというが、プライバシー擁護派は企業によるデータ利用許可の取得は不十分だと批判している。
オピニオン
サムスンのスマートTVの音声入力機能が常にオンになっていたことが問題視されたが、音声入力デバイスにはより根深く複雑な問題が含まれている。
私たちは、音声入力デバイスが24時間、聞き耳を立てている時代のプライバシーを考える必要がある
Hey, Siri and Alexa: Let's talk privacy practices
音声入力が普及しはじめ、デジタルデバイスが常に音声に聞き耳を立てている。こうしたデバイスが聞いた音声データは、どの用の処理されているのかに私たちはもっと注意を払い、音声入力を適切に受け入れ正しい方向に進める必要がある。デバイスが記録した音声データを当局が欧州したり、離婚訴訟の証拠にしたりできるのか。また、同じ部屋にいるだけで利用を許可していない他人の音声はどうなるのかなど論点は多く、また議論もまったく尽くされていない。
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