自動運転車の車輌製造に関してパートナー探しを続けるグーグル（Google）と、同分野の取り組みで競合他社に遅れをとるフィアット・クライスラー（Fiat Chrysler、FCA）との提携交渉が本格化していると、複数の米媒体が報じている。

AutoExtremistという自動者関連のブログが26日に情報筋の話として伝えたところによると、両社の交渉は今年1月のCES開催後から進められており、ここ3週間ほどは最終段階に達しているという。また、この交渉にはグーグルの自動運転車事業責任者であるジョン・クラフチック（John Krafcik）氏ならびにFCAのセルジオ・マルシオーネ（Sergio Marchionne）CEOが直接関わっていると同ブログは記している。いっぽう、Reutersは29日付記事で、関係者3人から得た情報として、両社がまもなく提携合意を発表する可能性もあると報じている。ただし交渉の具体的な内容などに触れた媒体は今のところ見当たらない。

グーグルは自動運転車の事業展開に関して、自社での製造を行わない考えを以前から明らかにしている。FCAとの提携が実現すれば、同社はFCAのもつ車輌製造能力に加え、FCAのディーラー網を活用して自動運転車を販売できる可能性も拓ける。

WSJによると、FCAのマルシオーネCEOは過去にシリコンバレー大手との提携の可能性を示唆し、また提携先としてグーグルやアップル（Apple）の名前を挙げていたという。また同CEOは昨年以来、競合する自動車メーカー大手との提携もしく合併の可能性も模索していたが、こちらについてはGM、トヨタ、フォルクスワーゲン（Volkswagen）が関心を示さず、さらに先週にはフォード（Ford）も「興味なし」との声明を発表していたという。

【参照情報】
・GOOGLE IN FINAL NEGOTIATIONS WITH FIAT CHRYSLER ON AN ADVANCED TECHNICAL PARTNERSHIP. - AutoExtremist
・Fiat Chrysler, Alphabet in Partnership Talks - WSJ
・Google, Fiat Chrysler working on self-driving car deal: sources - Reuters
・Ford Isn't Interested in a Merger With Fiat Chrysler - Fortune