教育向けの小型コンピューター・キット「Raspberry Pi」の製造・販売を手掛ける英プレミア・ファーネル（Premier Farnell；以下、ファーネル）を、スイスの産業部品メーカー、デトワイラー・ホールディング（Daetwyler Holding：以下、デトワイラー）が8億7100万ドルで買収することが現地時間14日に明らかになった。

WSJによると、ファーネルは1930年代に創業された老舗電子部品メーカーで、企業や個人向けにケーブルや照明、その他の電子部品を販売。近年では英Raspberry Pi財団の委託で「Raspberry Pi」の製造・販売を行っており、同製品の部門は同社の売り上げ全体の16%を占めるまでになっていたという。

いっぽうデトワイラーは自動車やヘルスケア、土木工学など様々な業界向けの電子部品や密封材ソリューションなどを手掛けており、同社はファーネルの買収を通じて、部品市場での競争力向上を目指す考えで、同社のCEOは、「両社の競争力を飛躍的に高め、製品ラインナップを拡大し、様々な業界の幅広い顧客に向けてワンストップのショッピング体験を容易に提供できるようになる」とコメントしているという。

【参照情報】
・The biggest maker of Raspberry Pis was just acquired for $871 million - The Verge
・Daetwyler to Buy Raspberry Pi Computer Supplier Premier Farnell - Bloomberg
・Daetwyler Buys Raspberry Pi Maker Premier Farnell - WSJ