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フェイスブック(Facebook)が米国時間6日、同社の設計した無線通信プラットフォーム「OpenCellular」を発表し、その仕様などをオープンソースで公開する考えを明らかにした。

フェイスブックのブログによると、Open Cellularはコストパフォーマンスの高いソフトウェアベースの無線通信プラットフォームで、同社ではこの技術を無線通信環境の整備が進んでいない遠隔地などにおける通信環境の向上に役立てたい考えだという。

Open Cellularは、「General-baseband computing (GBC)」ならびに「radio frequency (RF) 」という2種類のハードウェア(ボード)を中心に構成され、いわゆる「Network in a box」やアクセスポイントなど様々な機器の設計に利用可能。フェイスブックでは、同技術の仕様や必要なソフトウェアを公開することで、通信事業者のほか起業家やOEMメーカー、研究者などさまざまな立場の人間が自前のネットワークを構築・運営できるようにしていきたい考えを示している。

同社は現在、本社内にある実験室で「OpenCellular」のテストを実施しており、ショートメッセージ(SMS)や音声通話、2G回線を使ったデータ通信が利用できることをすでに確認済み。また同社が今年発表していた「Telecom Infra Project (TIP)」に参加する各社と協力しながら、今後複数の場所で運用実験を行う予定もあるとしている。VentureBeatによると、TIPには現在ドイツテレコム(Deutsche Telekom)、英BT傘下のEE、フィリピンのグローブ・テレコム(Globe Telecom)、韓国のSKテレコム(SK Telecom)など参加しているという。

なおフェイスブックはこれまでに、主に都市部(人口集中地域)での展開を想定した「Terragraph」(ミリメートル波を利用するギガビットWi-Fi網)や、96基のアンテナを内蔵し周波数帯を効率的に活用できる基地局「ARIES」といった無線通信関連の技術を開発・発表している。

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Facebook

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【参照情報】
Introducing OpenCellular: An open source wireless access platform - Facebook
Facebook unveils OpenCellular, its open-source wireless access platform - ZDNet
Facebook launches OpenCellular, an open source networking hardware project - VentureBeat

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