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中国ライドシェアリング・サービス最大手のディディ・チューシン(Didi Chuxing)が、これまで同市場で激しい競争を続けていた米ウーバー(Uber)の中国事業を買収することになったとBloombergが米国時間1日に伝えている。

同記事によると、合併後の新会社の評価額は350億ドル程度になる見通し。ウーバーの中国子会社(Uber China)に出資しているウーバーならびにバイドゥ(Baidu)は、新会社の株式の20%を受け取ることになるという。さらにディディからウーバーに対して、680億ドルの評価額で10億ドルの投資が行われるとBloombergは記している。

昨年はじめにウーバーが中国市場に参入して以来、同社とディディとの間で利用者やドライバーの獲得をめぐる激しい争いが続いていることがさまざまな媒体で伝えられていたが、Bloombergは今回情報筋の話として、ウーバーの中国事業の赤字額が20億ドルを超える規模に達していることや、他の先進国市場では2015年前半に同社の事業が黒字化していたことなどを紹介している。

なお、Bloombergでは7月21日付で、ウーバーに出資する一部の機関投資家の間から、同社に対して中国事業をディディと合併させるよう求める声が上がっていたとする話も報じられており、そのなかでは6月初めにあった「Code Conference」の際に渡米していたディディ社長のジーン・リュウ(Jean Liu)氏が、ウーバーの社外取締役も務めるベンチーマーク(Benchmark)のビル・ガーリー(Bill Gurley)氏や、ウーバーの事業を統括するエミール・マイケル(Emil Michael)氏という幹部と会談していたといった話が紹介されている。

中国では先週、中央政府からライドシェアリング・サービスを規制するための枠組みとなる法律が発表され、ディディやウーバーが合法的に事業を展開できることになったと報じられていたが、この法律のなかにはコスト以下の料金でサービスを提供することを禁じる条項なども含まれており、ウーバーが積極的なシェア拡大策を取り続けることが難しくなったと判断した可能性も考えられる。

Bloombergによると、ディディは中国国内の約400都市でサービスを提供し、登録ドライバーの数は約1400万人にのぼる。また同社は米リフト(Lyft)に1億ドルの出資を行っているほか、リフトやインドのオラ(Ora)、東南アジアでサービスを展開するグラブ(Grab)とも提携している。さらに、評価額が280億ドルに達したディディには、今年5月に発表されたアップルからの10億ドルの出資を含めて100億ドルを超える手元資金を有するという。

ウーバーは、中国市場でのシェア獲得に関わる巨額の赤字がなくなることで、全体としての黒字化が早期に進む可能性も高く、同社の株式公開を望む株主や投資家などの声も高まる可能性が考えられる。


(今年6月のCode Conferenceに登場していたディディのリュウ氏と、グラブのアンソニー・タン(Anthony Tan)CEO)

【参照情報】
Uber Said to Merge China Business With Didi in $35 Billion Deal - Bloomberg
Uber Backers Said to Push for Didi Truce in Costly China War - Bloomberg
China's Didi Chuxing to acquire rival Uber's Chinese operations - WSJ

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