大手自動車部品メーカーのデルファイ（Delphi Automotive）が、シンガポール政府と共同で、自動運転車を使ったタクシーの実験プログラムを進めることになった。同社では来年にも「Audi SQ5」ベースの自動運転タクシー6台を使いながら、市街地での走行実験を開始するという。

Reutersによると、シンガポール政府の国土交通局（Singapore Land Transit Authority）では2022年の本格サービス開始を目処に自動運転車を使ったタクシーの実験プロジェクトを開始。デルファイは同局と協力しながら、来年まず人間のドライバーが同乗する形で自動運転タクシーのテストに着手した後、2019年〜2020年にはドライバーが乗車しないタクシーの運行テストに移行する考えだという。

デルファイのグレン・デヴォス（Glen DeVos）氏という幹部はReutersに対し、自動運転タクシーが実現することで、現在1マイルあたり3〜4ドル程度かかっている市街地でのタクシー料金を90セント程度まで引き下げられる可能性があるとコメントしている。

Reutersによると、デヴォス氏はデルファイが北米や欧州でも自動運転タクシーのテストプロジェクトを計画していることに触れ、米国でのテスト実施地については今年中にも決定する見通しとコメントしたという。なお、デルファイは昨年、自動運転車の米国横断走行実験に成功していた。

Recodeによると、すでにシンガポールではMITからスピンオフしたニュートノミー（NuTonomy）という米ベンチャー企業が、自動運転タクシーの小規模な実験を開始しているという。

【参照情報】
・Delphi, Singapore launch test of self-driving taxis - Reuters
・Delphi tests self-driving car service in Singapore - The Verge
・Singapore to host Delphi Automotive's self-driving taxi test - ZDNet
・We rode in the self-driving cab that will hit Singapore streets in 2019 - Recode