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クアナジー・システムズ(Quanergy Systems)というシリコンバレーのベンチャー企業が、自動車部品メーカー大手のデルファイ(Delphi Automotive)やサムスンのVC部門などから9000万ドルの資金を新たに調達したことを米国時間22日に発表。半導体ベースのレーザー・レイダー(LiDAR)開発を手掛けるクアナジーの評価額は、この増資で15億9000万ドルに達したという。

クアナジーの発表によると、同社が開発を進める半導体LiDARは機械的に可動な部分がまったく存在しないことから、低コスト化や小型・軽量化、信頼性の向上などが期待できるという。この話題を採り上げたFortuneでは、同分野の代表的メーカーであるベロダイン(Velodyne)の最新のプロトタイプが1基約8000ドルであるのに対し、クアナジーが今年1月のCESで発表していた自動車向けLiDAR「S3」が1基250ドル以下、またドローン向けの「S3-Qi」が1基約100ドルの価格にそれぞれ想定されていると記している。

なお、ベロダインにはフォード(Ford)とバイドゥ(Baidu)が総額1億5000万ドルの投資を行うことを先ごろ発表していたが、同社でも1基100ドル台前半という価格設定のLiDARを開発し、これを2018年までに投入する計画を明らかにしているという。

クアナジーは「S3」LiDARに関して、すでに自動車メーカー5社と供給契約を結んでいるものの、具体的な供給先の名前は明らかにされていない。いっぽう、同社はテキサスインスツルメンツ(Texas Instruments)から独立したセンサータ・テクノロジーズ(Sensata Technologies)と自動車向けLiDARの製造に関する契約を結んでいるほか、セキュリティや3Dマッピング向けのセンサー類については大手OEMメーカーのフレックス(Flex、旧Flextronics)に製造を委託することも決まっているという。

なお、クアナジーは発表の中で、LiDAR市場の規模が2020年には10億ドルを突破し、2022年には30億ドルに達する見通しとする業界専門家の予想を紹介している。


(クアナジーのロウアイ・エルダダCEOが3月末にスタンフォード大で行った講義)

【参照情報】
Quanergy Raises $90 Million in Series B Funding - Quanergy
Self-Driving Car Sensor Startup Raises $90 Million - Fortune
Autonomous-Car Tech Startup Quanergy Racks up a $1.59 Billion Valuation - Investopedia

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