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大手プロセッサメーカーのクアルコム(Qualcomm)が欧州時間1日、ベルリンで開催中の「IFA」カンファレンスで、同社が開発した独立型VRヘッドセットのリファレンスデザイン「VR820」を発表した。

VR820は、クアルコムがゴアテック(Goertek)という中国企業と共同で開発したもので、クアルコムの「Snapdragon 820」モバイルプロセッサで稼働し、4つのスピーカー、6軸モーショントラッキング、2つの内蔵カメラによるアイトラッキング機能や外側のデュアルカメラによる「Inside-out」方式のトラッキング技術などを搭載。また、両目に対応するディスプレイの解像度はそれぞれ1440×1440ピクセルで、「Oculus Lift」や「HTC Vive」のそれ(いずれも1080×1200ピクセル)を上回るものの、リフレッシュレートは70Hzで上記2機種の90Hzを下回っているという。

クアルコムによれば、同社はこのリファレンスデザインを2016年末までに他社に公開する予定で、同デザインをベースに製品が実際に市場に出回るのは来年以降になる見通し。クアルコムはこれらの製品の想定価格は明かしていないものの、同社はThe Vergeに対して「ハイエンドのタブレット製品と同程度」とコメントしている。またEngadgetでは、クアルコムが同リファレンスデザインの提供を通じて、単体で利用出来るVRヘッドセットの低価格化・普及を進めたい考えなどと記している。

PCやゲーム端末と接続する必要のないオールインワンのVRヘッドセットとしては、インテルが先ごろ発表していた「Alloy」というプロトタイプなどがある。同端末では、インテルの「RealSense」テクノロジーを使ったハンドトラッキング技術の採用が注目を集めていた。

【参照情報】
Qualcomm has a plan to make VR headsets a whole lot cheaper - Engadget
Qualcomm announces an ambitious, risky all-in-one VR headset - The Verge
Qualcomm unveils a wireless eye-tracking VR headset - TechCrunch

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