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2回線に接続し信頼性を高めた法人向け無線サービス、ソフトバンクと日本通信がそれぞれ提供へ

2017.07.20

Updated by Naohisa Iwamoto on 7月 20, 2017, 06:25 am JST

法人がデータ通信に使う回線として、携帯電話網を利用したモバイル回線は安定性に欠けるなどの課題があった。2017年7月19日、2つのモバイル回線を同時に接続することで信頼性の向上を図った法人向けのデータ通信サービスを、ソフトバンクと日本通信がそれぞれ発表し、課題への対応を進める。

ソフトバンクはNECの協力を得て、モバイル回線を利用した信頼性の高い法人向けアクセスサービス「Twin(ツイン)アクセス」を今後提供する。Twinアクセスは、モバイルネットワークを2回線利用し、常時アクティブの状態で接続するもの。単一のモバイル回線の利用に比べて、パケット到達率などの通信品質が改善されるという。Twinアクセスには、NECのネットワーク終端装置「Agater AG2521」と仮想化技術を採用したセンター装置を対向で利用する。これらの装置間では、通信パケットを複製して2つの回線に送出し、受信側では早く受信したパケットを選択する「PCC(Packet Copy Capsuled)技術」を採用する。PCC技術により、片方のモバイル回線が切断された場合でも、残るモバイル回線で通信が維持できる。

2つのモバイル回線には、ソフトバンクの回線を2回線利用するほか、ソフトバンクおよびソフトバンクが指定したモバイル事業者の回線を用途に応じて冗長回線として利用することもできる。Twinアクセスは、2017年10月からフィールドトライアルを実施し、その後はソフトバンクのVPNサービス「SmartVPN」のメニューとして提供する予定だ。光回線が提供されていない拠点の回線や、メタル回線に置き換わる回線としての利用を想定する。

日本通信は、NTTドコモに加えてソフトバンクのネットワークを借り受けて回線サービスを提供できるようになったことを受けて、2つのネットワークを同時に利用するデュアルネットワークによる法人向けサービス「無線固定網」の運用を開始する。NTTドコモとソフトバンクの双方のネットワークを利用することで、相互のエリアを保管する形で広いサービスエリアを実現するほか、異なる事業者のモバイル回線を冗長構成で利用することにより信頼性の高い通信を可能にする。日本通信では、携帯網の冗長構成によるファイブ・ナイン(99.999%)の信頼性を実現すると説明している。こうした性能から、ミッションクリティカルな基幹業務系の通信をモバイル通信に置き換える用途での採用を目論む。

「無線固定網」は、無線通信を利用して無線チャネルを複数のユーザーで共有利用できるため、物理的な有線の回線が必要だった固定網に比べて低コストで運用できる。固定網よりもコストを下げることが可能で、広いサービスエリアや高い信頼性を確保できるため、IoTの基盤ネットワークとして適すると説明する。移動ATM車やコネクテッドカーのネットワーク接続や、水道事業などの配水池やポンプ地の監視回線、警察などのパブリックセーフティ分野での通信回線といった用途を想定している。

【報道発表資料】
モバイル回線を用いた新しい法人向けアクセスサービス「Twinアクセス」について
日本通信、IoTの基盤ネットワーク「無線固定網」を発表

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。