original image: © Kris Tan - Fotolia.com
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「ペルシャのアリババ」は、40人の盗賊が財宝を隠した岩の洞穴の扉を「開けゴマ」と言って開けるところを木の陰から盗み見たのだが、中国の「アリババ(阿里巴巴集団)」は、イスラエルでスタートアップを買収するようだ。
アリババは、10月にイスラエルを含む世界各地の7カ所に研究開発施設を設立し、3年間で150億ドル(約1兆6900億円)の研究費をAI(人工知能)やIoT、量子コンピューティングなどの分野に投じると報じられている(「アリババ、研究開発費を2倍超に拡大-AIなどに3年で1兆6900億円」)。そのアリババが、イスラエルのスタートアップ「Visualead」を買収するという報道(「Alibaba to Buy Israel-based QR Startup Visualead」)がある。
Visualeadの技術は、無粋なQRコードの四角いデザインを写真やイラストと組み合わせてポップなデザインに変える、というもの。無味乾燥で無機質なQRコードを見栄えのいいカラフルなデザインの二次元バーコードにして、これを着けた製品と製造メーカーを結ぶタッチポイントにする。Visualeadのleadには先頭を行くとか道案内をするという意味のほか、マーケティング用語としては新規見込み客といった意味もある。
アリババは、2012年設立のVisualeadを初期から採用しており、2015年には出資もしているとされる(「アリババ、イスラエルのスタートアップの画期的QRコードを採用―ドットに邪魔されず画像を表示」)。技術とその事業性については既に評価済みだったというばかりではなく、同社の経営陣とのパイプも太かったということだろう。Visualead社があるイスラエルのヘルズリアはテルアビブの北に位置するので、アリババの研究開発拠点の開設にあたっても、Visualedの人材やネットワークが活用されるものと思われる。
【参照情報】
・Alibaba is buying Israeli startup Visualead’s tech to establish a Tel Aviv R&D center
・Alibaba to Buy Israel-based QR Startup Visualead
・Alibaba Group to acquire Israeli QR code startup Visualead
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