original image: © peshkova - Fotolia.com
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イスラエルのスタートアップ「AquiNovo」(2015年設立)は、魚を大きくする技術を開発している。技術と言っても遺伝子組み換えやホルモン投与といった方法ではなく、飼料その他の組み合わせで養殖魚を速く大きく成長させて、人の食料としての価値を高める。世界の人口や増え続け、食糧問題が深刻化する中、水産資源に注目が集まる。
AquiNovoは、特許製法によるアミノ酸ペプチドを一定の期間、餌として与えることで性的な成熟を抑える代わりに体の成長を速め、短期間に大きくするというもので、魚の種別によっては40%も重く育つという。理論上はどの魚にも応用できるが、テラピアやサーモンが最初のターゲット。テラピア向けソリューションは、2020年に提供可能となる予定。
この技術のポイントは、飼料とその与え方であるため、養殖業者にとっては新たな設備は必要ないし、特別な作業も求められない点。生け簀を作り直して水流を起こしたり、魚を1尾ずつ取り出して、何らかの細工をする必要があるならば適用範囲が限られてしまうが、餌やりであれば既存の養殖設備での導入が極めて容易になる。
同社は国立ヘブライ大学の2017年キー・イノベーション・アワードを受賞しており(「An Israeli innovation feeds the world with more fish protein; earns Kaye Innovation Award」)、11月には150万ドルの資金調達にも成功している(「AquiNovo Raises US$1.5 Million from Neovia」)。
【参照情報】
・Accelerating Fish Growth - Yissum
・Accelerating Fish Growth (2017)
・Accelerating Fish Growth (2016)
・An Israeli innovation feeds the world with more fish protein; earns Kaye Innovation Award
・AquiNovo Raises US$1.5 Million from Neovia
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