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昆虫タンパク源に、イスラエルのバッタ農場

2018.01.19

Updated by WirelessWire News編集部 on January 19, 2018, 07:00 am JST

イスラエルのスタートアップ「Hargol Foodtech」は、2014年設立。当初の社名はSteak TzarTzarだった。タルタルステーキ(Steak Tartare)を想起させるネーミングだが、粗みじんにした牛などの生肉を使うタルタルステーキとは異なり、Steak TzarTzarはバッタを使う。

地球人口の急増で深刻な食糧難が心配される中、バッタを大量に迅速に成長させる技術を開発し、企業化したのがHargol社。旧社名ではバッタの生肉という少々気味の悪いものを連想してしまうが、Hargol社はバッタを乾燥粉末化してプロテインとしたり、食品添加物やペットフードに加工している。また、バッタそのものを食用としている地域もアフリカ、アジア、中米、中東などに思いのほか多いという(日本でもイナゴの佃煮などが食用とされている)。

バッタは、70%以上の総タンパクに加え、オメガ脂肪酸、鉄、亜鉛、葉酸など含む。Hargol社は、衛生的な環境下でバッタを無駄なく加工する自動システムを昆虫学者らの協力を得て実用化している。国際的な賞を数回受けているほか、最近はシンガポールのVCなどから60万ドルの資金調達にも成功している。

同社の食品は、昆虫としては世界唯一、ユダヤ教およびイスラム教で食用として許されるコーシャとハラールの認定を受けているという。

食肉への依存度を減らしながら動物性タンパクを人々に届けるために、同社は世界初となる商業バッタ農場の生産ラインを既に動かし始めている。

【参照情報】
Spotlight On: Delivering Protein from Edible Insects
Singapore VC Sirius, Dutch SLJ inject $600K funding in Israel's Hargol FoodTech
Are The Fried Locusts In My Taco Kosher?

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