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イスラエル ネゲブ砂漠 イメージ

ソーラーバレーにある世界一の太陽の塔

2018.02.19

Updated by WirelessWire News編集部 on February 19, 2018, 07:00 am JST

イスラエル南部のネゲブ砂漠のソーラーバレーが完成に近づいている。三つの巨大な太陽光発電プラント、世界で最も高いソーラータワー、廃水処理プラントなどで、2020年までに国の消費電力の10%を再生可能エネルギーで生み出すようにする計画の一端を担う。

アシャリム発電所は、二つのプロジェクトから構成され、一つは4平方kmに拡がる121メガワットの太陽光発電システム。50万基のパラボラミラーを使って発電し、6万戸にクリーンパワーを供給する。年間24万5000トンの二酸化炭素排出削減が可能だという。これは、自動車5万台を減らしたのと同等の効果に相当する。

パラボラミラーは週に2回清掃される。ミラーで集めた太陽光でパイプの中を流れるオイルを加熱し、そのオイルの管で水を沸騰させて発電する。ミラーはスペイン製でオイルはアメリカから輸入している。

二つ目のプロジェクトは、面積3平方kmで250mという世界で最も高いソーラータワーを使う。こちらは、5万基のヘリオスタット・ミラーをソフトウェアで制御する。太陽の動きに追随して向きを変える平面鏡を並べ、そのエリアに降り注ぐ太陽光をタワーの最上部に集めるというもの。ここで沸騰させた水を使って塔の下の方で発電する。

このほかにも、近傍に35メガワットの太陽光発電プラント「アシャリムSUNプロジェクト」や廃水処理や脱塩を行う施設も建設している。

ソーラーバレーを標榜するだけに、現地の設備は圧巻。建設に当たっては砂漠の希少な植物を移植したり、小動物が通るための通路を作ったり、夜行性の動物を脅かさぬよう、発電設備は夜間には周囲を照らす照明を点灯しないなどの配慮がされているという。

【参照情報】
Negev Energy: Introducing an innovative solar technology in Israel's Negev Desert
Take a tour of Israel's huge new solar-energy valley in the desert
Renewable energy in the Negev: Israel's multimillion-dollar solar energy initiative
In pictures: the solar industry's biggest and brightest

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