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進む現場のIoT化、建設や工場に向けてドコモがソリューション

2018.02.22

Updated by Naohisa Iwamoto on February 22, 2018, 06:25 am JST

IoTの地に足の着いた活用を推進するソリューションが、NTTドコモからアナウンスされた。建設現場のIoTプラットフォームのベータ版提供開始と、かんばん方式を採用する工場でのLPWAを利用したIoT化の実証実験である。

1つが、ゼネコン(総合建設会社)向けに提供する「建設現場IoTプラットフォーム」のβ版で、2018年3月1日に提供を開始する。同プラットフォームは、建設現場で工期を遵守しながら働き方改革を実現することを目的とし、ヒトやモノの情報とAI分析技術を組み合わせて、建設現場の状況をリアルタイムで共有できるようにするもの。2017年に2カ所の建設現場で実証実験を実施し、労働時間削減余地の判明、疲労や精神的な不調などの予兆検知の可能性が確認できた。

今回のβ版では、実証実験で構築した情報収集とAI分析の技術を生かし、建設現場の工程から品質、安全、原価管理まで寄与できるトータルソリューションとしてゼネコンに提供することで、課題解決に向けた検討をゼネコン各社と進める。さらに、NTTグループのAI「corevo」をはじめとしたAI分析技術を活用し、作業進捗率の予測高度化や、コミュニケーションログからのノウハウ抽出、音声入力による操作の省力化など同プラットフォームの高度化も進める。

もう1つが、かんばん方式を採用する大規模工場に向けたIoT無線通信インフラの実証実験を開始すること。IoTで工場の生産状況や稼働状況を「見える化」する取り組みで、長距離を低消費電力で通信できるLPWA(Low Power Wide Area)を活用して低コストの導入・運用を目指す。

実験を実施する工場は、敷地面積が約3.5万平方メートルと大規模で、有線通信では配線が負担になり、Wi-Fiの利用では多数のアクセスポイントが必要になった。LPWAは広域の通信が大量の端末に対して可能であり、ゲートウエイ装置を減らす効果が期待できる。Wi-Fiでは10台ほどのアクセスポイントが必要な工場敷地内を、LoRa方式のLPWAを使って1台のゲートウエイ装置で安定的に通信できることを検証する。一方、LoRa方式では1回のデータ通信で取り扱えるデータサイズが小さいことから、データの分割・結合の機能を用意してより大容量のデータ通信に耐えられるようにする機能も用意した。デンソーエスアイと共同で2018年2月20日に実験を開始し、かんばん方式の生産を支援するシステムの開発への貢献を目指す。

【報道発表資料】
「建設現場IoTプラットフォーム」β版の提供開始 -建設現場における働き方改革を実現-
LPWAを活用した工場のIoT化の促進に向けたかんばん方式向け無線インフラシステムの実証実験を開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。