original image: © Moshe Einhorn - Fotolia.com
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ネコエイズは、人間のHIV-1ウイルスに非常によく似たネコ免疫不全ウイルス(FIV)が原因です。FIVは人間には感染しませんが、エイズウイルスとの多くの類似点があります。
HIV-1は、薬を飲んでいても細胞内で増殖し、薬に対する抵抗性を示します。また、エイズウイルスの特徴の一つである「逆転写酵素」によって、ウイルスRNAゲノムを宿主のDNAにコピーし、宿主のゲノムに組み込ませてしまいます。FIVとHIV-1は、このDNAを宿主ゲノムに移植し、宿主細胞にウイルスの新しいコピーを生成させる点が類似しています。逆転写酵素は、ウイルス増殖においてその重要な役割を果たすため、新しい抗エイズ薬の中心的なターゲットとなっています。
テクニオン生物学部のAkram Alian助教授とMeytal Galilee博士は、FIV中のこの酵素の3D構造から抗HIV薬をブロックする閉じたポケットを形成していることを示しました。「私たちの発見が、ポケットに侵入可能な薬剤の開発につながれば、FIVの増殖を阻害する薬を作ることができるのではないかと考えています。もちろん、FIVとHIVには類似点があるので、人間のエイズとの戦いにも役立つのではないでしょうか」(Alian助教授)。
【参照情報】
・Cats Could Help in Development of Anti-HIV Drugs
・How cats could help to treat HIV
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