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日本でのAWS普及を左右するのは英語力

2018.12.30

Updated by WirelessWire News編集部 on December 30, 2018, 13:00 pm JST Sponsored by OSAKA YMCA

大阪YMCAでは、2019年1月より「AWSクラウド基礎講座」を開設する。

日本でもスタンダードとなりつつあるAmazon Web Service(以下AWS)であるが、米国AWS, Inc.(以下AWS, Inc.)では日本での普及については他国に比べて若干の後れがあると考えている。そこで、大阪YMCAとAWS, Inc.は、AWSの利用、活用を増やすべく協力体制を構築することとなった。

しかし、すでに日本国内でも多くのAWSの講座やセミナーは開催されているにもかかわらず普及が進まない理由は何処にあるのか。そして、今までIT関連の講義を開催したことがない大阪YMCAとAWS, Inc.は何故協力を考えたのか。それは、「日本人の英語力に問題がある」という共通認識に至ったからである。

語学教育から学生・社会人向けの職業訓練に強みを持つ大阪YMCAがそのノウハウを活かし、大阪を発信拠点にして、国内のIT技術者、AWS技術者の養成を本格化させる。

英語教育のノウハウがAWS技術者養成には必須

株式の時価総額3兆ドルで世界の時価総額占有率10%を超えるGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)。その一角を担うAmazonにおける事業の一つがAWSである。AWSはクラウドサービスではトップを走り、世界の30%以上のシェアを有しているといわれ、日本でも圧倒的なシェアを誇っている。ただ、AWS, Inc.からすると、日本はAWSの活用で後れをとっていると判断されている。その理由は、IT人材の不足が大きいが、実は英語力にも大きな課題があるのではないかと考えていた。

AWS, Inc.としては、日本にクラウドに強い技術者を増やすべく、次世代の IT とクラウドのプロフェッショナルに向けた教育機関向け学習プログラムであるAWS Educateの活用を推進したい。ただしAWS Educateを始め、様々な情報提供もかなりの部分が英語でのサービスである。サポートのメールや認定試験などでのやり取りなども英語で行われるケースもあり、英語力がないユーザーは、内容が理解できなかったり業務上の判断に困るケースが多い。中には日本語に翻訳されていたり、日本語対応されていたりするサービスもあるが、ITの専門用語を日本語に直した場合にニュアンスが若干わかりにくくなるケースもある。つまり、英語でやり取りできるのがベストであり、それができればAWSへの理解が深まるはずとの考えである。

そのAWS, Inc.の思いを知った大阪YMCAは、この課題を解決するには、これまで積み上げてきた自社の英語教育のノウハウを活かせるのではないかと考えた。明治期より現在に至るまで、英語教育を専門的に行い、語学教育のノウハウを持ち、教育システムを確立しているYMCAであれば、語学とAWS教育の両方を網羅できるはずだ。

大阪YMCAの体制を活かせば、AWSの講義だけではなく、受講者に向けて英語を正しく日本語に解釈して伝えることや英文のメールをフォローすることも可能であり、他のAWS講座と差別化したサービスが提供できるため、日本でのIT技術者の養成を加速化できる。

こうして、大阪YMCAでのAWS講座の開設が決定した。

今では、日本でもユーザー企業がITベンダーを頼らずに自力でAWSを活用する事例は増えてきている。AWSのユーザーが集まって勉強会や情報交換などを行うコミュニティであるJAWS-UG(AWS Users Group – Japan)には多くのユーザー担当者が集まるようになった。

しかし、それでも日本全体から見るとほんの一部の企業が活用しているという程度で、AWS, Inc.では日本にはまだ十分にポテンシャルがあると見ている。今回の取り組みにより積極的にITを学んでくれる若者が増えてくれることを期待している。

大阪YMCAが描く理想の若者への思い

大阪YMCAは、若者の就労条件に課題を感じていた。優秀な若者にもかかわらず活躍の機会が乏しい企業が多く、企業内の旧体制に立ち向かえるような若者を養成したいというのが根底にあった。

その武器のひとつが語学力ということになるが、ITリテラシーも今後はカギとなってくると判断している。ITリテラシーを向上させることで、若者の社内での地位を高めることができ、それが所属企業にもプラスに働く。

「若者に寄り添う」というポリシーを踏襲してきた大阪YMCAであるが、実はITに関しては今まで手付かずであったため、今回のAWS, Inc.との出会いは同社にとっての転機になる。まずは、AWS基礎講座を開設し、今後はこれをきっかけにAWS実践講座につなげるなど、IT教育について本格化する考えである。

提供するサービスの質も量もトップクラス、そして価格面でもリードするAWSと英語教育の雄である大阪YMCAのタッグが日本のITリテラシーの向上を目指す。

日本でのAWS普及を左右するのは英語力

「大阪ならでは」でなく「大阪だからこそ」

今回、大阪YMCAでの取り組みになったのは、AWS, Inc.と大阪YMCAの担当者のつながりができたことも一因ではあるが、大阪こそクラウドを活用してビジネスの拡大を図り、より多くの若者に雇用を促進すべきという考えが大阪YMCAにはあるからだ。

大阪は、首都圏ほどの社数はないが多くの大企業が本社を置いている一方、東京に本社を置く企業の支店や中小企業の比率が高いという特徴もある。特に中小企業のIT化の後れは、今に始まったことではなく、大阪だけでなく日本全体においても喫緊の課題となっていることは事実である。

中小企業には、技術やデータなどの優良資産がたくさんある企業も多い。それを有効活用できれば、一気にステップアップするはずである。しかし、その資産を活かす人材が不足しているのが中小企業、課題とわかっていてもコストをかけてアウトソーシングできないのが中小企業である。

さらに、企業規模が小さいということで、ITベンダーが提案に来てくれないということも、IT化、情報化の後れにつながっている。これらの課題に立ち向かいたいという強い思いが大阪YMCAの新たな取り組みの背景にある。

無料セミナーからのスタート

大阪YMCAは、IT関連講座のスタート、AWSクラウド基礎講座の開講に先立ち、12月14日、19日に無料セミナーを開催した。このセミナーには、地元の多くの企業担当者が参加した。

日本でのAWS普及を左右するのは英語力

まず、大阪YMCAとの関係も深い、リコージャパン株式会社関西インテグレーションセンタープロデュース2グループリーダー 多田啓治氏が登壇した。

タイトルは「クラウド導入で企業のIT活用はこう変わる!」で、クラウドを活用するメリットをコスト面、拡張性、各種デバイスとの親和性、といった基礎的な内容の説明からスタートした。

AWSには、日本でも導入実績が多いために事例が参考にできること、世界各国に20のリージョンがあり東京と大阪にも存在している、といったメリットがある。コスト面については企業でのサーバー購入が不要で、分単位、時間単位でサービスの契約が可能であるだけでなく、夜間や土日など使用しない部分の支払いが発生しないことなどを解説した。さらに、簡単に仮想サーバーが構築できる点について、実際にサーバーの稼働までのデモンストレーションを披露した。

日本でのAWS普及を左右するのは英語力

「今後、若手のエンジニアはAWSの機能の全体像を知り、自社の課題を解決できるITストラテジストとしての素養が求められるようになる。AWSはクレジットカード1枚とメールアドレスがあれば使えるので、是非チャレンジして欲しい。ただ、企業では法人クレジットカードでの支払いには馴染みがないケースも多いと思う。その場合、クレジットカード決済を代行するサービスをリコージャパンが提供しているので活用して欲しい」。(多田氏)

次に、大阪YMCA ICT教育センター 代慶(よけい)重文氏が登壇し、「IT活用時代に乗り遅れないために」というタイトルで講演を行った。

代慶氏はAWSクラウド基礎講座の講師も務める予定である。

冒頭にクラウド時代の現在の流れについて、「クラウドの利点を十分に活かしたクラウドネイティブには時間がかかるが、PoC(Proof of Concept概念実証)がコストを抑えながら実現できるようになった。元々AIや機械学習は、大きなマシンリソースが必要であり企業内のシステム環境では実現が難しかったがクラウドがそれを容易にしている」。と説明した。

先日、米国で開催されたAWSのイベント「re:Invent」では、機械学習の公式認定資格が発表された。「AWSの資格取得は、ITリテラシーを上げるだけでなく、ITエンジニアの収入も向上させる。米国と日本とでは単純な比較にはならないと思われるが、大阪YMCAの講座を通じて資格取得も目指してほしい」。と述べた。

日本でのAWS普及を左右するのは英語力

さらに、AIや機械学習についての事例としてAmazonがInnovate Japanで公開した同社のコールセンターのソリューションについての紹介もあった。

「データ活用時代に乗り遅れないために、自社で生まれるデータを棚卸しして、データを蓄積することが重要だ。活用イメージを掴むためにも、まずは機械学習を体感して欲しい。AWSでは、イメージ分析サービス(Amazon Rekognition)や機械学習の構築支援サービス(Amazon SageMaker)なども提供しているので、これらへの取り組み方を含めて、AWSクラウド基礎講座を進めていくつもりだ」。(代慶氏)

AWSクラウド基礎講座は2019年1月に開講し3月まで毎月2回開催する予定だ。

講座の期間は、それぞれ5日間の集中講義で、開始時間は19時から。企業の業務時間後に受講できるのが特徴だ。各回20名の少数制であり、講義の内容は、クラウド移行だけでなく、事業支援や新規事業・研究開発としてのクラウド活用を事例とともに学ぶ。実際に自社でどのように使えるかを把握することに重点を置いている。

受講者には、セルフスタディサポート付きで、AWS Educateの1年間利用可能権が付与され、英語での躓きがあった場合はフルサポートをするなど、受講者に寄り添った対応をする。

AWSクラウド基礎講座詳細については、こちらで確認して欲しい。

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