画像はイメージです original image: © Gorodenkoff - Fotolia.com
日本の製造業を救う「セキュア生産」を議論──第2回「セキュリティカフェ」を開催
2019.09.20
Updated by Naohisa Iwamoto on September 20, 2019, 08:00 am JST
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2019.09.20
Updated by Naohisa Iwamoto on September 20, 2019, 08:00 am JST
参加することに意義がある新しい形のセキュリティセミナーとして開催する「セキュリティカフェ」(主催:セキュアIoTプラットフォーム協議会)。セミナーパートとオフレコで議論を深めるカフェパートで構成するセキュリティカフェの第2回のテーマは「セキュア生産」である。日本製、日本品質が世界で価値として認められる「ものづくり」は、今後も日本の産業の基幹の1つをなす。その価値をさらに高め、製造業のリバランスを高めるためにはどうしたらいいかを考えていく。
「今回のセキュリティカフェで議論するのは、日本の製造業の夢について」。こう語る講師・モデレーターはNECプラットフォームズ 執行役員の渡辺裕之氏である。NECプラットフォームズは、NECの製造部門を一手に引き受ける製造業中の製造業ともいえる会社だ。
現状を見ると、日本市場はシュリンクする一方で、グローバルではサプライチェーン攻撃へのリスクから特定の国や企業の製品の購買が制限される動きも加速する。
渡辺氏は、「日本の製造業の外堀が埋まってきている。グローバルにおける製造業のリバランスが起ころうとしてきている今、このリバランスを日本の製造業の力にできないかを考えたい」と意気込む。NECプラットフォームズという一企業の生き残りをかけた戦いという側面は否定しないが、それは目標のごく一部でしかない。日本の製造業が生き残り世界で覇権を取るための新しいスキームを確立しようという壮大な「夢」がそこにある。
その「夢」の実現のカギを握るのが、「セキュア生産」だと渡辺氏は語る。詳細はセキュリティカフェ当日のディスカッションに譲るが、「セキュア生産」を核として製造業のプロセスを再定義して、世界の製造業をニュートラルな立場で管理する仕組み作る必要があるとの指摘だ。すなわち、次世代の世界の製造業をデザインすることであり、日本は世界中で最もそのポジションに適した属性を持っているという。
ひとつのものの見方のヒントとして、渡辺氏は「サイバーセキュリティとBCP(事業継続計画)の類似性」を挙げる。製造業ではどのような企業でもBCPのプランを持っている。一方でセキュリティやセキュア生産に対しては「カネがかかる」「その投資で儲かるのか」といった理解で危機意識は低い。
「BCPでは災害などのインシデントに対して、事業を継続できるように事前に対策を立てる。製造業にとってのセキュリティは、これまではサイバー攻撃に対する防御という意識が高かった。しかし実際にはサイバーインシデントに対して事業を継続するための対策という側面が強くなっている。セキュリティもBCPと同様に、何もしない『0』とスモールスタートでも対策を始めている『1』の状況では大違い。全部やろうとするのではなく、始めることが重要だ」(渡辺氏)。
今回のセキュリティカフェは、できるだけ実際の製造業の方々にも参加していただいて、一緒に「セキュア生産が日本の製造業を救う」ための方法論をオフレコで本格的に議論してもらいたいという。まずセキュリティ対策の「0」を「1」に変え、それをステップにして製造業の壮大な夢の実現に向かう道筋が、セキュリティカフェの議論から見えてくるだろう。
■第2回IoTセキュリティカフェ
・日時:2019年10月15日(火)16:00より開催
・参加費:1人1万円(税別)
(SIOTP協議会会員企業の方は参加費が無料になります)
※多くの企業に情報を届けたいのですが、ノウハウの把握などの実践が伴うために、30名限定での開催となります。
参加登録はこちらから
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登録はこちら日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。