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クルマもヒトもエネルギーチャージ、IoTを活用した複合型EVステーションが登場

2020.08.17

Updated by Naohisa Iwamoto on August 17, 2020, 06:25 am JST

EV(電気自動車)の充電ステーションをビジネスにする方策はあるのか。EVの普及に欠かせない充電ステーションだが、充電に時間がかかることもありガソリンスタンドを代替するビジネスとして成立させることは用意ではない。そうした充電ステーションの新しいビジネスモデルを模索するための実証店舗「Delta EV Charging Station(Yokohama)」が、2020年8月に横浜市山下町にオープンした。


この実験店舗は、エネルギーソリューションを提供する台湾デルタ電子の日本法人のデルタ電子と、出光興産が共同で開設したもの。複合型EV充電のサービスモデル「Park&Charge」の検証を目的としている。Park&Chargeでは、単なる充電ステーションとしての役割だけでなく、周辺施設を利用するための駐車場や、充電時間を過ごせるカフェなどを併設することで、充電に必要な時間を有効に活用できる付加価値を提供する。中華街や横浜スタジアムにほど近い好立地を生かして、新しいビジネスモデルを検証することが狙いだ。

Delta EV Charging Stationは出光興産のサービスステーション跡地を活用するが、従来のガソリンスタンドを想起させる出光のロゴなどは前面に出さない。EVの充電やカフェ、駐車場の複合型施設としてのニーズを検証し、将来的な全国展開に向けた知見を蓄える。デルタ電子は、EV充電器からEMS(エネルギー管理システム)までインフラ面を提供する。系統電力とリチウムイオン電池によるBESS(電力貯蔵システム)を利用し、系統電力利用のピークシフトによる低コスト化、災害時のバッテリーからの電力供給などを含めた効率的な電力利用を図る。

EVステーションとしては、3台の25kW充電スタンドと、1台の充放電スタンドを用意。利用者はスマホアプリ「EZQC APP」からクラウドと通信することで、事前登録や充電スタンドでの面倒な操作をすることなくEVに充電できる。3台の急速充電スタンドの料金は30分700円で、日産リーフならば30分で満充電できるという。

充電を利用するとカフェで利用できるクーポンが発行され、コーヒーを飲んで人間も同時にチャージできるというわけだ。さらにカフェではスマホやパソコンなどの「充電」もでき、クルマ、ヒト、スマホの三種の充電が同時に行える。また、充放電スタンドでは、EVから放電してEVステーションに給電することもでき、この場合もカフェのクーポンが得られる。こちらで充電する場合は急速充電ではなく、60分300円の料金となる。駐車場として利用する場合は、駐車ブースの利用料金が別途必要になる。

EVステーションやカフェは、IoTにより様々な利用状況を可視化し、遠隔からも管理できる仕組みを導入している。充放電の利用状況からカフェの温度湿度、カメラによる利用者の状況の把握などが可能で、こうしたデータは管理目的で利用するだけでなく、利用者のステーション内での行動などを分析することでビジネスモデルの検証にも役立てる。

EV普及に必要なインフラであるEVステーションの展開には、収益モデルの確立が求められる。そうした中で、サービスステーション跡地を活用して、充電のための通過地点ではなく、「目的地」にもなりうる新しいEVステーションの姿を模索する両社の実証を見守っていきたい。

【報道発表資料】
サービスステーション跡地を活用した複合型EV充電サービス「Park & Charge」の実証を開始します

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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