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【新教養主義的読書術No.3】10月23日(金曜)21:00〜:山形浩生『世界を支配する隠された秩序について』   新教養主義宣言・トークイベント vol.10

2020.10.21

Updated by on October 21, 2020, 17:44 pm JST

今回の山形浩生的・新教養主義的読書術(第三回)は、彼自身が翻訳した『スケール』(ジョフリー・ウエスト著、早川書房)を精読します。この書籍では生命・組織・企業・都市・経済成長などは全て同じ統一原理で説明できる、と主張します。トンデモ本の香りが漂ってきますが、著者のジェフリー・ウェスト(Geoffrey West)はケンブリッジ大学で学士号、そしてスタンフォード大学で博士号を取得し、原爆の開発で有名なロスアラモス研究所(LANL)での勤務を経て、2009年まで複雑系(complex system)のメッカとして有名なサンタフェ研究所 https://www.santafe.edu の所長を務めた理論物理学者で、2006年にはタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」の一人にも選ばれています。つまりかなりまともな方のようです。「都市および組織の意外な数学的法則」(The surprising math of cities and corporations)というテーマでTEDにも登壇しています。この動画(https://www.ted.com/talks/geoffrey_west_the_surprising_math_of_cities_and_corporations)を事前に見ておいていただき、かつ今回ご案内する山形氏のトークイベントに参加すると、立体的に「世界を支配する隠れた秩序」の理解が進むはずです。今回は山形氏本人による翻訳書のご紹介ということもありますので、価格を低めに設定させていただきました。是非ご参加ください。
(WirelessWireNews発行人・新教養主義宣言主宰 竹田茂)

内容詳細
本書の魅力は、随所に見られる「べき乗則」の原理をテコにあらゆるものをなで斬りにしまくった大胆さにあります。人はなぜ老いるのか、生物はなぜ死ぬのか、なぜ身体のデカい動物は長生きするのか、といった問題から都市という奇妙な有機体の謎、そして企業の経済活動まで、本書は全てべき乗則で解明しようとします。個別の部分についてなら似たような本(e.g. 生物なら本川達雄氏の『ゾウの時間 ネズミの時間(中公新書、1992年)』など)はあります。しかし本書はそれらすべてを統合し、全く同じ原理が上から下まで貫いている様子を実に楽しげに描き出します。ただし、その大胆さゆえに、乱暴で強引な議論が散見されるのも事実。つまり本書は「とても魅力的ですごい威力」を発揮する武器なだけに、きちんとした取り扱い説明書が必要なのです。この「トリセツ」を翻訳者自らが解説するのが今回の新教養主義的読書術です。

参加申込はこちら

新教養主義宣言・トークイベント vol.10
【読書術編No.3】山形浩生『世界を支配する隠された秩序について』

日 程:2020年10月23日(金曜)21:00〜22:30
会 場:Zoomを利用したオンラインイベントです。Peatixでお申し込みの方に事前に招待メールをお送りします。
参加料:¥1,000(税込):チケットの購入期限は当日10月23日の18:00までとさせていただきます
申込み:Peatixよりお申し込みください。(申込みはこちら
主 催:WirelessWireNews編集部(スタイル株式会社)

スケール 上──生命、都市、経済をめぐる普遍的法則
価格: 2,530 円(税込)
原書名: SCALE: The Universal Laws of G
ISBN: 9784152099747
刊行日: 2020/10/15

スケール 下──生命、都市、経済をめぐる普遍的法則
価格: 2,530 円(税込)
原書名: SCALE: The Universal Laws of G
ISBN: 9784152099754
刊行日: 2020/10/15

出演者:山形浩生(やまがた・ひろお)

1964 年東京生まれ。東京大学工学系研究科都市工学科修士課程、マサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。科学、文化、経済からコンピュータまで、広範な分野での膨大な翻訳と執筆活動を行う。単著としては、『新教養主義宣言』(晶文社 、1999年/河出文庫、 2007年)、『山形道場―社会ケイザイの迷妄に喝!』(イーストプレス)、『コンピュータのきもち 新教養としてのパソコン入門』(アスキー 、2002年)、『たかがバロウズ本。』(大村書店、 2003年)、『新教養としてのパソコン入門 コンピュータのきもち』(アスキー新書、 2007年)、『訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ』(バジリコ 、2009年)『断言 読むべき本・ダメな本―新教養主義書評集成・経済社会編 (Pヴァイン、2020年)』などがあるが、バロウズ、レッシグ、クルーグマンを中心とした膨大な量の翻訳が他の追随を許さない。それぞれの翻訳本に付記される彼の「訳者解説」を読むために買うファンがかなりの数存在する。

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