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小売業がポイント還元をやめられない理由とサブスクの罠

2023.12.26

Updated by WirelessWire News編集部 on December 26, 2023, 17:26 pm JST


ポイント還元という心理的トリック

お買い物をするときには、ポイント還元よりも現金割引の方がいい、という話を聞いたことのある方も多いのではないかと思います。ポイント10%還元と謳っていても実際には9%オフと同じようなもの、とか、現金は別の店でも使えるけど、ポイントはその店でしか使えない、とか。確かにこうした話も生活にとって重要ではあるのですが、しかしながら、そうはいっても数%の違いで、たいして大きな影響はありません、と敢えて言い切ってしまいましょう。

少し違う角度からポイント還元の話をしたいと思います。実は、ポイントやギフトカードプレゼントには、私たちの意識の穴を突く、恐ろしいトリックが仕掛けられているのです。

ということで、みなさんに聞きたいことがあります。あなたは、獲得したポイントを、どの買い物で使いますか? もう少し具体的に聞き直しましょう。もしかして、ポイントが付いた買い物のときに1回しっかり合計金額から割り引いて考えたのに、次にポイントを使う買い物のときにも、また合計金額から割り引いて考えていませんか?

そうなのです。どうやら私たち(の多く)は、同じポイントを2度割り引くようです。たとえば家電量販店でノートパソコンを10万円で買い、1万円分のポイントがついたとしましょう。すると「実質9万円だな」と考えます。また別の日、同じ家電量販店で、1万円分の家電をポイントで購入します。ここでもまた、「ポイントで買ったから、実質無料だな」と考えます。その結果、実際には10万円払ったのに、実質9万円で済んだような気になってしまう、というわけです。

この現象を指摘したのは、デラウェア大学のチェン氏らです。初めて彼らの論文を読んだときには、「うわっ、私もやってる! なんで気付かなかったんだろう!?」と愕然としました。ここまで読んで、同じく愕然とされている方も多いのではないでしょうか。いや、絶対多いですよね。どうか多いと言って下さい。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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