5Gミリ波無線通信システム向けの半導体デバイスを開発・製造する米Peraso Inc.は、中国中西部の主要鉄道システムで同社のチップセットを利用した60GHzミリ波無線システムの実地テストが開始されたことを発表した。ミリ波技術や関連製品を手がける現地のJaguar Wave Technologyがテストを進めているという。

このテストでは、Perasoの「X720」チップセットを搭載したJaguar Waveの「JW-TAU6002」という無線デバイスを使用。このデバイスは列車が駅から1km以内に接近する際に最大2Gbpsの高速データ通信を提供する。Wi-Fi網の干渉を受けないだけでなく、駅構内の金属やコンクリート、ガラス面からの反射による信号への影響も最小限だという。

ジャガーウェーブのCMOを務めるJames Li氏は「列車内のテレメトリーシステムやビデオセキュリティシステムは、駅間を移動する間に大量のデータを蓄積する」とし、「Perasoの60GHzソリューションは、列車が移動中でも10GBのデータをダウンロードでき、駅での停車時間を最小限に抑えることが可能」とコメントしている。

ジャガーウェーブはこれまで、Perasoの60GHz技術を利用した複数の製品を発表しており、これらの製品は、データバックホールやスマートシティ接続、セキュリティおよび監視、スマートファクトリー、災害時のバックアップネットワーキングなどの分野で使用されている。

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