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野心的な目標にフォーカスしながら、組織を健全に運営することは可能か

2024.08.09

Updated by WirelessWire News編集部 on August 9, 2024, 17:53 pm JST

「大きな目標を達成するためには、数字に絡め取られてはならない。達成に必要なのはモチベーションだ」などと考えているとしたら、これは大きな誤解だ。定量的な評価も実際には野心的な目標を達成するために与する。指標とフレームワークを上手に使いこなそう。

定量的な評価が野心的な目標を阻害するという誤解

近年、ビジネスや組織の世界では定量的な目標管理が重要視されています。組織全体が一体となり、戦略的方向性を確保し成果を最大化することが可能となるためです。実際に組織やチームが成功するためには、明確な目標設定とそれに伴う定量的な成果測定が必要不可欠です。

一方で、定量的な評価に対する誤解は少なくありません。定量的な評価は野心的な目標の策定を妨げるとか、数値で表現できる目標しか設定できないのではないかと思い込んでいる人がいるのです。定性的な目標は定性的にしか評価できず、定量的な評価をするには定量的な目標を設定するしかない、これらは全くの誤解です。

定量的な評価指標を用いながら、野心的で定性的な目標を設定することは可能です。それを実現するためのフレームワークはOKRと呼ばれます。ここではOKRとKPIの関係を説明しながら、野心的な目標を定量的に評価する方法を解説していきましょう。

メンバーが共通のゴールへ向かって協力するための枠組み「OKR」

まずはOKRについて簡単に解説しましょう。OKRとはObjectives and Key Resultsの略称で組織やチームが目標を効率的に達成するためのフレームワークです。組織の方向性を明確に示し、目標に向かってチームが一体となって動くためのツールになります。

Objectives(目標)とは、組織やチームが達成したい具体的な目標や方向性を示すものです。これらの目標はビジョンや目的を示し、チームメンバーに組織の方向性とその意義を明らかにします。思い切って高いレベルのObjectivesを設定してみましょう。

Key Results(成果指標)はその目標の達成を評価するマイルストーンです。Key Resultsは目標達成の進捗状況や成功度を測定するための指標であり、基本的に数値によって表現されます。これらの成果指標は、目標達成度を客観的に評価し、チームが目標に向かって前進するための進捗度を定量的に把握します。

OKRは組織やチームの目標を明確にし、透明性を高くしフォーカスを絞ることによってチームメンバーが共通の目標に向かって協力するための枠組みです。「70%の達成ができれば成功」といえるようなストレッチゴールを設定することで、野心的な目標を持ちながら定量的な評価を兼ね備え、客観的で明確なマイルストーンを得ることができます。

つまり、定性的な目標を持ちながら定量的な方法で効果を検証することは可能ですし、定量的な評価をしながら野心的な目標を策定することもできます。野心的な目標と定量的な評価は相反するものではないのです。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の前半部分です。
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