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KDDI、au IDにリアル店舗での決済機能を追加した電子マネー「au WALLET 構想」を発表

2014.02.13

Updated by Asako Itagaki on February 13, 2014, 20:12 pm JST

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KDDIは、auIDに決済(カード)機能を追加する「au WALLET 構想」を発表した。2014年5月のサービス提供を目指す。いままでネットの世界を認証IDだったauIDを、リアル世界でも通用する認証決済のIDにすることで、auの顧客基盤を活かした新たなO2O事業に進出する。2016年度流通規模1兆円を目指す。

▼従来ネットの認証IDだったau IDで、リアル世界でも認証決済を可能にする。
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au IDと連携したポイントもたまるプリペイド方式の電子マネーカードを発行する。利用可能店舗を増やすために、電子マネーの残高管理と決済システムは、グループ企業のWebMoneyとクレディセゾンの協業で実現したMasterCardプリペイド決済システムを利用する。サービス開始当初から全世界で約3,600万件店のMasterCardの加盟店で使えるカードとなる。カードの形としては、「クレジットカードじゃないMasterCardのような感じ」(田中社長)とのことだ。

端末と一体化したおサイフケータイ型ではなくカードを採用した理由は、リアル店舗で買い物する際には、カードは財布と分けて持ちたいという意見が多かったからとのこと。「auとしておサイフケータイと決別するということではないが、(電子マネーを)新たにスタートするにあたってはカードを発行する方が、ユーザーに分かりやすい」(田中社長)と、「物理的に支払いたい」ユーザーの心理に沿った決定であることを示した。

また、ネットでもリアル店舗でも、電子マネーを使用することでたまるau WALLET Pointプログラムを新たに開始する。既存のauポイントは新ポイントに移行するが、既存のポイントは請求単位ごとに付与されているのに対し、新ポイントはau ID単位、すなわち個人単位となるため、移行プログラムは検討中。「家族で喧嘩になったりしないように、移行ポイントについてはたとえば家族でシェアできるようにするといった方法が考えられる」(田中社長)とした。

たまったポイントは、ネットショッピングや携帯端末の購入代金として使える他、カードにチャージすることで店舗での買い物にも利用できる。また、auの通信料金の支払いにも利用できる。「携帯電話会社のポイントを何に使いたいか調査してみたところ、携帯電話の基本料、通話料の支払いに使いたいという意見が最も多かった」(田中社長)ので、払えるようにしたそうだ。

▼ポイントによる携帯電話料金支払いへのニーズは高い。
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スマートフォンの連携アプリで、ポイントや電子マネーの残高確認、チャージ機能提供を予定している。また、位置情報をはじめとするビッグデータを活用することで、「今、お得なお店」の情報を提供し、店舗への送客につなげる。

日常の買い物に使う1番の電子マネーカードに

今回のカードのもっとも特徴として田中社長が強調したのが、「カードはMasterCard加盟店ならどこでも使えて、ポイントが貯まる」「貯まったポイントはカードにチャージして電子マネーとしてまた使える」という点だ。auの料金支払いやauショップへの来店でもポイントが貯まる。「電子マネーカードやポイントカードはたくさんあるが、両方をくっつけて、どこでも使えるようにしたのはイノベーションだと思う」「毎日のコンビニの利用など、日常のちょっとした買い物に使う、一番上の電子マネーにしたい」(田中社長)

▼買い物をしたお店でポイントが貯まり、貯まったポイントはその店で使える。
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従来のポイントカードの問題点として、ポイントカードが店ごとにあって取り出すのが大変、使える店や用途が限られているといったことがあったが、au WALLETであればシンプルでオープンなサービスが可能であるとした。チャージはau簡単決済や少額単位のオートチャージなど、できるだけ簡単にできる方法を複数用意する。

au WALLETは3M戦略の第三弾

au WALLETは、KDDIの3M戦略の第三弾に位置づけられる。2012年に開始した3M戦略第一弾「スマートパスポート構想」は、マルチデバイスでインターネットサービスを楽しめる環境の提供を掲げたものだった。の3つのキーファクターは、auスマートバリュー、auスマートパス、au IDの導入。2013年年度末予想では、スマートバリューはau680万契約、固定回線が358万契約にまで成長。スマートパスは1000万契約、au IDは1700 万IDにまで成長している。

3M構想の第二弾は、スマートフォンが広まってきたことを受け、より日常生活で使いこなせるよう、auスマートパスの拡充やタイムライン機能によるリアル店舗のクーポン提供など、ネットからリアルへの接点を提供してきた。

続く3M構想第三弾のキーファクターとして、au IDをとりあげたのが、au WALLETの位置づけとなる。「au IDは今までネットの世界を認証するIDだったが、リアル世界でも認証決済のIDにしたいということは3M構想の当初から考えていた。スマートバリューは1000万ユーザー、au IDは1700万ユーザーにまで増え、次のステージに行く準備はできていると思う」「"ネット"と"リアル"の融合でauが買い物を変える」と田中社長は述べ、新事業への意欲を見せた。

【報道発表資料】
3M戦略 第三弾「au WALLET (ウォレット) 構想」始動! "ネット" と "リアル" の融合で新たな成長ステージへ

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。