マイクロソフトは米国時間16日、人気ゲーム「Minecraft」の開発元であるスウェーデンのモヤン（Mojang）を25億ドルで買収することで同社と合意したことを発表した。

マイクロソフトによれば、この買収は同社が米国外に保有する現金を使って行なわれる予定で、モヤンは買収後マイクロソフトのゲームスタジオ部門に組み込まれることになるという。買収は年内に完了見込みで、創業者のマーカス・ペルソン（Markus Persson）氏は買収が完了次第モヤンを離れる考えを明らかにしている。ただし「Minecraft」は買収完了後も、Xboxと競合する他の各プラットフォームへの製品提供も続けていくという。

「Minecraft」はスウェーデンのゲームクリエイターであるマーカス・ペルソン氏が2009年にPC向けにリリースしたゲーム。レゴのような立方体のブロックを使ってさまざまなものを作成できる同ゲームは、これまでにマイクロソフトの「Xbox」やソニーの「PlayStation」、スマートフォンなど多くのプラットフォーム向けにリリースされており、全世界で5000万本以上を売り上げている。

この話題に触れたThe Vergeでは、今回の買収について、マイクロソフトの「Windows Phone」の勢力拡大に貢献する可能性があるとのアナリストの指摘を紹介している。「Minecraft」はiOS、Android向けの有料ゲームとして高い人気を誇っているが、「Windows Phone」にはこれまで対応していなかった。また、若い世代に人気のある「Minecraft」が将来のWindowsプラットフォームに優秀な開発者をもたらすのではないかという期待もあるという。

マイクロソフトにとって今回の買収は、サトヤ・ナデラ（Satya Nadella）氏のCEO就任以来最大の買収となる。今年2月にCEOに就任したナデラ氏は、マイクロソフトにおけるゲーム事業の位置付けについて、PCおよび携帯電話分野での勢力拡大の足がかりになるものとの見方を示していた。

[Microsoft Acquires Minecraft Maker Mojang in $2.5B Deal - Bloomberg TV]

【参照情報】
・Microsoft confirms it will buy 'Minecraft' for $2.5 billion - The Verge
・Microsoft to Buy Minecraft Maker Mojang for $2.5 Billion - Bloomberg
・Microsoft to acquire Minecraft maker Mojang for $2.5 billion - Reuters