HTCが台湾時間20日、同社の新たなトップ人事を発表。これまでCEOを務めてきたピーター・チョウ（Peter Chou）氏に代わり、同社の共同創業者で現在会長を務めるシェール・ワン氏がCEOを兼務することになった。またこのCEO交代に伴い、チョウ氏は同社のR&D部門である「HTC Future Development Lab」の責任者に就任するという。

HTCは2011年のピーク時には世界のスマートフォン市場で約10％のシェアを押さえていたものの、アップル（Apple）やサムスン（Samsung）、さらに最近ではシャオミ（Xiaomi）やレノボ（Lenovo）などの競合各社に押される形で、昨年には1％までシェアが低下。ただし昨年第4四半期には、スマートフォンの出荷台数シェアが1.4％まで持ち直し、売上も13四半期ぶりに増加に転じていたと、この話題を採り上げたWSJでは伝えている。なお、ワン氏は2年前からHTCで販売、マーケティング、サプライヤー関連などの実務面に関与し、製品開発に集中するチョウ氏を補佐してきていたという。

HTCは昨年から製品の多角化に乗りだしており、すでにアクションカメラ「Re」やVRヘッドセット「Vive」などを開発している。同社は新体制下でこの多角化・新規分野参入の動きを加速させたい考えだとThe Vergeは記している。

【参照情報】
・HTC Chairwoman Cher Wang to Double as CEO - WSJ
・Founder Wang takes over as CEO as Taiwan's HTC seeks turnaround - Reuters
・Unwilling to change its phones, HTC changes CEO instead - The Verge