ノキア（Nokia）によるアルカテル・ルーセント（Alcatel-Lucent：以下、アルカテル）の買収が、欧州時間15日に正式に発表になった。買収額は156億ユーロ（166億ドル）で支払いはすべて株式の交換で行われるという。

Bloombergによると、新会社の会長にはノキアのリスト・シーラスマー（Risto Siilasmaa）氏が、またCEOにはラジーブ・スリ（Rajeev Suri） がそれぞれ就任する予定。アルカテルのマイケル・コムズ（Michel Combes） 現CEOは株主として新会社に関わるものの経営にはタッチせず、アルカテル側からは副会長のポストに人を送りこむことになるとWSJは記している。なお、株式の交換比率は1対0.55で、アルカテルの株主は新会社の株式0.55株を手にすることになるという。

両社の合併は2016年上半期に完了する見通し。合併後の新会社は、従業員数11万4000人、年間売上約260億ドルの規模となり、携帯通信機器市場のシェアだけをみるとエリクソン（Ericsson）を抜いて首位になるという。Bloombergは、2014年の市場シェアについて、エリクソン 25.7％、ファーウェイ23.2％、ノキア 15.8%、アルカテル 11.4%とするIDCのデータを紹介している。

このほか、ノキアの発表によれば、合併後もフランス国内での従業員数はアルカテルが以前から予定していたリストラ以外に減らす見込みはなく、今後4年間で新たに500人の研究開発関連スタッフの採用を予定しているという。また、ノキアはフランス国内でのスタートアップ投資のため、100億ユーロ規模の投資ファンドを創設する予定も明かしている。

なお、この合併に合わせて、ノキアの地図関連事業「HERE」やアルカテルの海底ケーブル関連事業などは切り離しもしくは売却されることになるという。

【参照情報】
・Nokia Bets $16.6 Billion in Alcatel Deal Creating Network Leader - Bloomberg
・Nokia Agrees to Buy Alcatel-Lucent - WSJ
・Nokia to buy Alcatel-Lucent - Reuters