アップルが来週開催する開発者向けカンファレンス「WWDC」での発表に向けて、同社のセットトップボックス（STB）端末「Apple TV」の新モデル開発を進めているとする話が以前から一部の媒体で報じられていたが、NYTimesの米国時間3日付記事によるとこの新機種発表が結局見送られることになりそうだという。

同記事によると、アップルでは5月中旬までWWDCで新機種発表を行うことを予定していたが、その後「発表には時期尚早」とする判断が下されたという。この話題に触れたThe Vergeでは、新機種の発表が見送られることになった理由について、ハードウェア自体に関するもののほか、コンテンツ提供者との交渉が進んでいない可能性なども指摘している。

アップルは、ネットテレビ配信サービスの開始に向けて、大手テレビ局のABC、CBS、フォックスなどと番組提供をめぐる交渉を進めているとされる。ただし最近になって、アップル側が各地のローカルテレビ局の番組もメニューに含めようとしていることから、これらのコンテンツの確保が難航するのではないかとする見方も流れていた。

新しい「Apple TV」については、「Siri」の音声認識機能を組み込んだリモコンが提供されるほか、対応するテレビ向けアプリの開発用キット（SDK）も提供されるとする可能性がこれまでに報じられていた。

またNYTimesでは、アップルがWWDCでスマートウォッチ「Apple Watch」用のアプリ開発キットや、Beatsのサービスをベースにした新しい音楽ストリーミングサービスなどを発表する可能性があると記している。そのうち、Apple Watch向けアプリ開発キットは、Watchネイティブのアプリ開発を可能にするもので、これにより概して反応速度が遅いとされる現在のサードパーティー製アプリの問題が軽減されることになりそうだという。

【参照情報】
・Apple to Unveil Tool Kit for Watch App Developers - NYTimes
・Apple reportedly calls off plan to unveil new Apple TV at WWDC - The Verge
・New Report Says Not To Expect New Apple TV At WWDC - TechCrunch