電子情報技術産業協会(JEITA)は2010年5月13日に、2010年3月移動電話国内出荷実績を発表した。2009年度累計(2009年4月から2010年3月)では31,426千台で、前年同月比87.7%と2年連続マイナスとなった。年間の出荷台数3千万台前半の規模は、1998年度以来の水準だ。
なおこのデータはJEITAへのデータ提供に協力しているメーカー各社出荷台数の積上げ値によるものだ。
2000年以降2007年までは年間5,000万台前後の出荷が続いたが、2008年と2009年は3,000万台と急落している。厳しい国内経済環境と相まって、2007年から始まった携帯電話の新販売方式の影響で、一度携帯電話を購入した利用者が機種変更等で新しい機種に買い替えるサイクルが長期化した影響が出ているものと思われる。
▼図1 移動電話の国内出荷台数推移と対前年比
一方2009年8月以降は月ごとにバラツキはあるが、対前年同月比が100%前後に落ち着いてきている。2008年7月以降、対前年同月比が80%を切るような状況が続いていた状態からは脱却しつつあるようだ。
▼図2 移動電話の国内出荷台数の月別の対前年同月比の推移
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2003年度から2009年度までの7年間の月別の出荷台数をプロットしてみたのが図3だ。毎年それぞれに事情は異なるとは思うが、これを見ると概ね春商戦の3月、夏商戦の6月、秋冬モデル発売の11-12月の3回出荷のピークがあるようだ。
逆に10月は夏モデルと冬モデルの谷間の時期で、1月は秋冬モデル発売と春モデル発売との谷間の時期でダウンしている構図がみえる。
▼図3 2003年度から2009年度の月別移動電話出荷台数
本データは携帯電話、PHSなどの統計データ提供に参加している各社からの情報を電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめたもの。2009年度は、携帯電話(自動車電話含む)に関しては、カシオ計算機、京セラ、シャープ、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ、東芝、日本電気、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、日立製作所、富士通、日立国際電気の10社が協力している。PHSに関しては、京セラ、シャープ、セイコーインスツル、NECインフロンティア、日本無線、アスモ、富士通ゼネラル、東芝の8社が協力している。
【情報ソース】
2010年5月13日の電子情報技術産業協会(JEITA)の統計資料
・2010年3月移動電話国内出荷実績 など
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