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働き方を変える互助会的組合

2013.02.27

Updated by Mayumi Tanimoto on February 27, 2013, 09:35 am JST

以前の記事で紹介したNational Union of Journalists でありますが、日本ではジャーナリスト向けの組合というのは日本では耳慣れないかもしれませんが、National Union of Journalists は104年の歴史がある、由緒正しいジャーナリスト向けの組合です。

フルタイムのジャーナリスト(どこかの新聞社などに勤めている)、フルタイムのフリーランサー、ジャーナリストだが今は一時的に活動していない人、本業の傍らジャーナリストをやっている人、ジャーナリスト志望の学生にもメンバーになることが可能です。デジタルメディアで書いている人方も加盟することが可能です。推薦は必要ありません。また、組合は記者証を発行してくれます。

日本みたいに「どこかの会社の社員じゃないと認めない!フリーランサーは除外だよ!」「有名人の推薦がないとダメだからね!」なんてセコいことはしないのです。(日本はなんて村社会なんでしょうか)ガーディアンの様な大手の新聞社の社員も、フリーランスも同じ組合に入ってるわけです。日本だとこういう光景はないので面白いですね。

イギリスにはジャーナリストだけではなく、通信やシステム開発等々様々な組合があります。70代の義父曰く、昔のイギリスでは小売店店員組合、クルーズ船ウェイター組合のように、職業別の組合がもっと沢山あったそうです。サッチャー改革で組合が弱くなり、大分数は減りましたが、それでも、互助会的な形で活動している所が沢山あります。

こういう雇用されてるかされてないか、に関係なくその職業なら誰でも入れる組合が普通だから、イギリスのジャーナリストが、どこかの会社に所属していないと入ることができない日本の記者クラブなる物の存在を知ると、「日本にはカースト制度があるのか?」とおったまげるわけです。だって、フリーランスだからって、クラブに入れません、記者会見に出ることができません、なんて変でしょう。働き方が違うだけで、仕事は同じなんですから。

イギリスのジャーナリストは、大手に勤めている人も、署名記事が当たり前なので、名前が売れて来たり、自由に仕事したい人はフリーランスになったりします。また、逆にフリーランスだった人が大企業にヘッドハントされたり、会社員に戻るということもある。職業は変わらないけど、働き方はコロコロ変わったりするから、組合は会社毎じゃなく、職業毎だと都合が良いわけです。

この組合では、交渉スキルやフリーランス向けの会計、雇用法、差別法、職場でのイジメなどに関するトレーニングもやっています。日本でも色々な業界でこういう互助会的な組合が増えると、働き方が変わってくるかもしれませんね。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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