アクティブ・アンテナ・システム　Flexi Multiradio Antenna System

2011.05.18

Updated by WirelessWire News編集部 on May 18, 2011, 12:06 pm JST Sponsored by NOKIA

アクティブ・アンテナ・テクノロジーは、通信容量の拡張、基地局の設置コストの削減、そしてネットワークパフォーマンスゲインを一層高めることにより、基地局のパフォーマンスを大きく向上させることが期待されてきた技術です。ノキアシーメンスネットワークスはFlexi Multiradio BTSで長年つちかってきたフィールド運用経験を生かし、次世代の基地局機能を提供するアクティブ・アンテナ・システム、Flexi Multiradio Antenna Systemを作り上げました。

ノキアシーメンスネットワークスのFlexi Multiradio Antenna Systemは、基地局の無線周波数（RF）部分をアンテナに統合することによって、モバイルネットワークのパフォーマンスを向上させます。このパフォーマンス向上は、8個の10 Wパワーアンプを使用してパッシブアンテナ部分を動作させることによって実現されます。コストとパフォーマンスの面で大きなメリットが得られるだけではなく、キャリア毎または無線技術（RAT）毎に調整可能な電気チルトや、ビームフォーミングといった最先端の機能も導入可能となります。

Flexi Multiradio Antenna Systemは従来のパッシブアンテナと同程度の大きさでありながら、はるかに高いパフォーマンスを提供し、オペレーターに多大なメリットをもたらします。

キャパシティの拡張

Flexi Multiradio Antenna Systemは垂直ビームフォーミング、2 x 2のMIMO（Multiple Input Multiple Output）、周波数帯ごとまたは無線技術ごとの送受信が独立した電気チルト等の先進的機能によって、基地局のキャパシティとカバレッジを拡張します。垂直ビームフォーミングは、標準的な3セクタのフィーダーレス基地局に比べて最大65%のキャパシティゲインが得られます。今後のアクティブ・アンテナ開発では、マルチカラムと水平ビームフォーミングのサポートが見込まれ、キャパシティのさらなる拡張が期待できます。

エネルギー効率とRFパフォーマンスの向上

アンテナ内部にRF機能を移すと、同軸ケーブルが不要になり、フィーダーやコネクタといった資材を排除できます。その結果、従来の基地局に比べてRFパワー損失が大幅に減少し、全体としてのエネルギー効率が向上して電力コストと二酸化炭素排出量が下がり、それだけ環境に優しいサイトが実現します。

複数無線技術のサポートによる将来投資の最小化

新たな無線技術を導入する場合、既存の基地局を支障なく迅速にアップグレードすることが必要になります。アクティブ・アンテナ・テクノロジーはGSM/EDGE、WCDMA/HSPA、LTE、及びLTE-Advancedの複数無線技術をサポートすることによって、基地局投資の抑制に貢献します。

複数周波数帯に対応可能

モバイル通信需要の急増に対応するために、世界中で大量の新しい周波数が利用可能になりつつあります。Flexi Multiradio Antenna Systemはアクティブとパッシブの要素を結合し、増えた周波数帯に対しても従来の基地局をサポートします。それによりオペレーターは新しい周波数帯を展開する場合でも、アンテナの追加導入が不要になり、投資を抑制できます。

基地局コスト全体の引き下げ

RFとアンテナ要素を結合することで、設備投資と運用コストの大幅な節約が実現します。Flexi Multiradio Antenna Systemは設置が容易な上に、マスト頂増幅器（MHA: Mast Head Amplifier）と遠隔電気チルト装置（RET: Remote Electrical Tilt）が不要になるため、コンポーネントの数が少なくなります。また、隣にRFモジュールやRRH（Remote Radio Head）を設置する従来のパッシブ・アンテナ・システムと比べて、風力の負荷も少なくなり、基地局設置場所のレンタルコストの削減に貢献します。さらに、ある無線機（TRX）で障害が発生しても、サービスが停止することはないため、このシステムは本質的に冗長性があります。その結果、柔軟な保守プログラムを組むことができ、運用コストが下がります。