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実際に実物に触れているような触覚効果のArtificial Muscle

2011.02.15

Updated by WirelessWire News編集部 on February 15, 2011, 07:14 am JST

【企業名】Artificial Muscle, Inc.
【所在地】アメリカ カリフォルニア州 Sunnyvale(749 N. Mary Ave, Sunnyvale, CA 94085)
【URL】http://www.artificialmuscle.com

Artificial Muscleは、2004年設立。SRI(スタンフォード・リサーチ・インスティテュート)の電気活性高分子人口筋肉(EPAM)という技術を商用化するためのスピンアウトで、2010年にはバイエル・マテリアルサイエンス社(ドイツの製薬会社の子会社)に100%買収されているが、EPAM技術を応用する用途は医療ではなく、モバイルやITだ。

▼創業者で戦略提携担当取締役のMarcus Rosenthal氏(中央)とマーケティング責任者のAndrew Cheng氏(右)
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スマートフォンやPCなどのモニターや本体、あるいはマウス、ゲームのコントローラなど、手や指の触れるハードウェアにEPAMを適用すると、手の触覚への刺激が豊かになり、「タッチ」することが新しいインタフェースになると言う。バルセロナ(MWC2011)で展示していたのは、同社にとって最初の製品となるiPhoneを装着するケース。4月からアップルストアで販売が開始される。名称は、Mophie Pulseというそうだ。

要するに、振動や弾力性、反発力などを高分子に電圧をかけることで人工的に作り出して、ゲーム機やスマートフォンのケースを握る手や指先に触感を生じさせる機構なのだが、携帯やスマートフォン、ゲームのコントローラのバイブレーションとは全く違う。画面の中のサイコロを、ケースの筐体を手で振ることで画面の中の(実際にはない)側壁にぶつけると、手には実際に持っている箱の中でサイコロがからからと動いている感覚が生じる。

▼Mophie Pulse
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iPhoneの画面でピンボールをすると、ボールが当たり、点数が上がるごとに、手には実際に小さなピンボール・マシンを持って操作しているような実感があるのだ。比較のためにiPhoneのバイブレーションによって同じ効果を生むように工夫したサイコロとピンボールを触らせてもらったが、バイブレーションはバイブレーションに過ぎないことがよく分かった。例えばサイコロの例では、どちらの壁にどれだけのスピードで、どれだけの質量のサイコロのどこ部分がぶつかるかというところまで正確に「再現」するのだという。

ゲーム目的のスマートフォン(iPhone)が最初の製品のターゲットということだが、技術の用途としてはいささか限定的という気もする。とにかく今は(文章では説明しづらい)この技術を多くの人に体感してもらうために、この第一号製品を作ったとのことだ。どんな応用があるのか問いただしてみたものの、タッチパネルやマウス、ゲーム機コントローラなどに適用するといった程度までしか教えてくれなかった。

文・幸野百太郎(テレコム分野の仕事に従事)

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