NTTコム、SDNの設計から構築・運用を容易にする新システムを開発
2013.06.11
Updated by Naohisa Iwamoto on June 11, 2013, 19:05 pm JST
2013.06.11
Updated by Naohisa Iwamoto on June 11, 2013, 19:05 pm JST
NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2013年6月11日、SDN(Software-Defined Networking)によるネットワークの設計や運用を容易にする2つのシステムを開発したと発表した。1つは実環境と同じ条件下でSDNのネットワークを設計・試験可能な「VOLT」。もう1つはSDNにより経路や帯域をリアルタイムに変更する運用が可能なリソース制御システムである。
SDNは、ソフトウエアでネットワークの機能や構成を制御する技術。ハードウエア構成への依存を減らして、柔軟にネットワークを構築・拡張できる技術として注目されている。
「VOLT」(Versatile Openflow vaLidaTor)は、SDNの設計や試験を容易にするシステム。SDNを実現するネットワーク制御技術の1つである「OpenFlow」に対応する。実ネットワーク環境を複製したテスト環境をシステム上に作成することで、実環境と同じ条件下でネットワークの設計・試験が可能になる。設計中はもちろん、運用中のネットワークのトラブルであっても、VOLT上で原因の解析が可能。またテスト環境で設計した内容を実環境に反映させることができるため、安全に構成変更やサービス追加が行える。
SDNにより通信経路や帯域をリアルタイムに変更可能なリソース制御システムは、既存のネットワークにSDNを適用できるようにするシステム。ラベルスイッチング方式のパケット転送技術である「MPLS」(Multi-Protocol Label Switching)の通信経路や帯域(パス)を、時刻や場所、帯域などに応じてリアルタイムに自由に制御できるようにする。これにより、ネットワークリソースを有効に活用できるほか、全体の利用量の超過も防ぐことができる。時間帯ごとにダイナミックに回線をシェアしたり、MPLSパスの状態をリアルタイムに把握しながら最適なパス制御をしたりといった、柔軟なリソース制御が可能になる。
NTTコムでは、開発したシステムの技術検証を進め、商用利用を検討していくとしている。
【報道発表資料】
・SDNによるネットワークを実環境と同じ条件下で設計・試験可能なシステム「VOLT」および通信経路・帯域をリアルタイムに変更可能なリソース制御システムの開発について
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