[2011年第15週]スマートフォン活用の決済手段が拡充、カーナビやセキュリティのアプリにも新顔
2011.04.18
Updated by Naohisa Iwamoto on April 18, 2011, 12:30 pm JST
2011.04.18
Updated by Naohisa Iwamoto on April 18, 2011, 12:30 pm JST
東北地方太平洋沖地震から1カ月が過ぎた4月11日の週も、強い余震が東日本を揺さぶり続けた。そんな中でも、経済活動は前に進む。ワイヤレス関連する業界では、震災前に引き続きスマートフォンの動きが活発だ。
先週は、スマートフォンを決済に活用するサービスやソリューションが相次いで発表された。その1つが、ロイヤルゲートが提供を発表した「PAYGATE」。AndroidやiOSを搭載したスマートフォンをクレジット決済端末として使えるようにする法人向けのソリューションだ。独自のBluetooth対応クレジットカードリーダーを使い、スマートフォンを介してクレジット決済情報をやり取りする。客先などでクレジット決済をしたい業種に対して、低コストでソリューションを提供する(関連記事:ロイヤルゲート、Android端末やiPhoneをクレジットカード端末に変えるサービス)。
スマートフォンを利用したエンドユーザー向けの決済サービスとして、ヤッパとソフトバンク・ペイメント・サービスがシステムを連携して提供する電子書籍専用の決済システムが発表になった。ヤッパのソリューションを利用する電子書籍配信の事業者は、「クレジットカード」「携帯キャリア決済」「プリペイドカード」「電子マネー」といったSBPSが提供する豊富な決済手段をまとめて使えるようになる(関連記事:ヤッパとソフトバンク・ペイメントが提携、電子書籍の決済がスマホからも容易に)。
電子マネーのEdyは、スマートフォンでもオートチャージを利用できるようになった。ビットワレットはAndroid端末で利用できるEdyアプリ「Android Edyアプリ」に、Edyのオートチャージ機能を追加し、4月18日の15時から提供を開始する。設定額以下になると、レジや自動改札機に触れることなくオンラインで自動的にチャージする(関連記事:Edyのオートチャージ、Androidアプリで4月18日から対応)。
スマートフォンで利用するアプリにも強力な新顔が登場した。NTTドコモとパイオニアは、ドライバー向けの情報提供サービス「ドコモ ドライブネット」をスマートフォンに対応させ、サービスを開始すると発表した。これにより、スマートフォンを本格的なカーナビとして利用できるようになる。サービスは4月21日に提供を開始する。サービスは3段階に分かれる。アプリのダウンロードだけで無料で使えるもの、有料サービスの契約が必要なもの、パイオニアが提供する「ナビクレイドル」を利用して高度な利用をするもの--である。有料のサービス契約をすれば、カーナビと同等のナビゲーション機能が利用できる(関連記事:スマートフォンが本格的なカーナビに変身、ドコモがサービスを開始)。
セキュリティ対策分野には新しいアプリが登場した。カスペルスキーは、Android端末向けのセキュリティ製品「カスペルスキーモバイルセキュリティ 9」の提供を開始した。急速に普及しているAndroid端末を、盗難・紛失や、悪意あるソフトウエアによる攻撃などから守るための機能を備えている。体験版がダウンロードできるようになっている(関連記事:カスペルスキー、Android版のセキュリティ製品の提供を開始)。
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ソフトバンクモバイルは、SoftBankスマートフォン向けの新パケット定額サービス「パケットし放題フラット for スマートフォン」を5月1日に提供開始すると発表した。月額5460円の定額でパケット通信が使い放題になる。これまで、スマートフォン向け(iPhoneは除く)のプランとしては月額上限が5985円のプランしかなかったが、525円安く利用できるようになる(関連記事:ソフトバンク、SoftBankスマートフォン向けのパケット定額サービスを提供)。
ウィルコムは、ソフトバンクモバイルのネットワークに対応した「WILLCOM CORE 3G」に下り最大42Mbpsの高速データ通信サービスを追加し、法人向けに4月22日から提供を開始する。新たに販売を開始するUSBスティック型データ通信専用端末「HX008ZT」を利用することで、42Mbpsの高速データ通信サービスを利用できるようになる。料金プランは月額2580円からの「3G データ定額ビジネス(S)」関連記事:ウィルコム、42Mbpsの高速サービスを月額2580円から法人向けに提供)。
ソネットエンタテインメントは、MVNOとして提供するSo-netのWiMAXサービスに向けた機器の販売を開始した。モバイルルーター、ホームルーター、USB型の3機種、合計6モデルを投入する。モバイルルーターのAterm WM3500Rには、通常の3色のほかに「PostPet」のキャラクターがデザインされたモモピンクを用意し、利用者層の拡大を狙う(関連記事:So-net、「PostPet」デザインのモバイルWiMAXルーターなどを発売)。
市場の勢いをみる統計数値も発表されている。電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した2011年2月の移動電話国内出荷実績によると、移動電話全体の出荷は196万8000台で、前年同月比は65.1%という低い水準。1月の出荷も前年同月比で94.4%であり、2カ月連続のマイナスになった。春商戦に向けての出荷が振るわなかった」とJEITAではコメントしている(関連記事:2月の移動電話国内出荷実績、前年比3割以上減となる大きなマイナス)。
大地震から1カ月余りが過ぎた4月13日、イー・アクセスは東日本大震災で影響を受けていたEMOBILE通信サービスの提供エリアが全復旧したと発表した。被災した地域でも震災前と同じようにEMOBILE通信サービスが利用できるようになった。3月11日以降に発生した余震による影響地域も含め、すべてのエリアが復旧した(関連記事:EMOBILE通信サービス、東日本大震災の影響から全復旧)。
続いて翌14日には、ソフトバンクグループが日本大震災による被害への対応状況と今後の見通しについて発表した。ソフトバンクモバイルの携帯電話サービスでは、被災前と同等のエリアカバーを復旧、ソフトバンクBBとソフトバンクテレコムのインターネットサービスや固定電話サービスは95%以上の回復状況だという(関連記事:ソフトバンク、東北地方など被災地のエリアカバーを震災前と同等にまで復旧)。
そうした中でソフトバンクモバイルは、2011年の夏商戦に向けて従来のような大規模な新製品記者発表会を開催しないことを明らかにした。大規模な発表会は自粛する一方、夏商戦向けの製品自体は順調に開発を進めているという(関連記事:ソフトバンクモバイル、夏商戦向けの記者発表会を自粛へ)。
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