今年1月の米ラスベガスで開催されたコンスーマー・エレクトロニクス・ショー（CES）で話題を集めたAndroidアプリケーションは、ゼネラル･モーターズ（General Motors：以下、GM）のテレマティクス子会社OnStarのデモだそうだが、Android以外のスマートフォンも取り込んで、提供サービスの内容が具体化してきた。

OnStar社は今月19〜20日にサンフランシスコで開催された「Google I/O」において開発中の新機能を公開した。

GMが今年後半に発売予定の電気自動車シボレー・ボルト（Chevrolet Volt）は、クルマから離れたところからスマートフォンで状態を知ったり操作することが可能になる。BlackBerry StormやiPhoneにも対応しているが、Android（MotorolaのDroid）版がもっともクールらしい。Android版ではスマートフォンに「ナビゲーション・タブ」が表示され、利用者がこれをクリックすると自分のクルマ（Volt）の現在地がGoogleMap上に示され、現在地からクルマの場所までナビゲーションしてくる。Googleの音声検索でナビの目的地を設定してVoltに送り込み、OnStarの「Turn-By-Turn」機能で目的地まで音声案内させることができる。

このほかバッテリーの充電状態を遠隔で見たり、車両を遠隔で始動して（イグニション・キーを回すのと同じ）乗車前にエアコンを操作したりすることもできる。

現在はスマートフォンとボルトの組合せのみだが、アナリストはGMがVolt以外の車両に展開することは確実と見ているようだし、ゆくゆくはソマートフォンが車両組み込み型のカーナビを駆逐するとも考えている。OnStarは、日本で言うとトヨタの「G-BOOK」やホンダの「カーウィングス」に当たるサービスで、Verizon WirelessのCDMAを利用している。1995年設立のOnStarは、Androidをテコに新たなステージへ進むとGartnerのアナリストは分析している。

【参照情報】
・Hands-on with OnStar's Android app for the Chevy Volt electric vehicle (Android Central)
・The GM Android Car: Coming Soon? (PCWorld)
・OnStar to tap Google to guide the Chevrolet Volt (autoweek.com)