リサーチ・イン・モーション（Research In Motion：以下、RIM）は米国時間18日、サンフランシスコで開発者向けイベント「BlackBerry DevCon」を開催し、同社のスマートフォンやタブレット端末のほか、組込システムなどにも対応する新OS「BlackBerry BBX」（以下、BBX）を発表した。

RIMでは、Android OS搭載端末やiOS製品と競合していく上で、従来の「BlackBerry OS」では拡張性が限られるなどの理由から、昨年買収した「QNX」OSへの移行を行うことを明らかにしており、4月に発売したタブレット端末「BlackBerry Playbook」にはすでに同OSを採用していた。QNX OSはセキュリティ面の堅牢さが売り物のひとつで、車載システムやATMなどにも使われているが、PlayBook発売当初は電子メールやカレンダーなどのネイティブアプリを欠くなど、他社のタブレット端末に比べて見劣りする面もあった。

「BBX」OSは、QNXをベースとしつつ、従来のBlackBerry OSの長所を取り込もうとするもので、電子メール、BlackBerry Messenger、カレンダー、アドレスブック、音声検索、NFC技術のサポートなど、現行の「BlackBerry 7」OSに盛り込まれた機能が利用できるものになるという。

また、「BBX」OSがさまざまな端末に対応することから、アプリ開発者はスマートフォン向けとタブレット向けにそれぞれ製品を最適化する手間などが省けるメリットがあるという。RIMは、外部の開発者にBBXのソースコードをオープンソースの形で公開すること、ならびに「BlackBerry Cloud Services」を提供することも明らかにしており、後者についてはHTML5ベースのアプリもサポートするという。なお、今回の発表のなかでは、AndroidアプリをPlayBookに移植するための開発者向けソフトウェアのリリースも明らかにされた。

この発表について、モーガン・キーガン（Morgan Keegan）アナリストのタビス・マッコート（Tavis McCourt）氏はBloombergに対し、「発表の内容はすばらしいが、短期的なトレンドを変えられるようなものはほとんどなく、これらのソフトウェアがいつリリースされるかについてもあまり情報がない」とコメントしている。

【参照情報】
・RIM to Unify Phones, PlayBook Under BBX OS - PCWorld
・BlackBerry BBX OS: What it really is - CNET
・RIM Unveils Next-Generation BlackBerry BBX Operating System - WSJ
・RIM Unveils New Operating System to Challenge Apple, Google - Bloomberg
・RIM BlackBerryサービスが復旧 - ラザリディス共同CEOが謝罪
・RIM、6-8月期決算 - 利益59%減少、「Playbook」販売台数は20万台にとどまる
・RIMの本当の危機とは