グーグル（Google）のAndroid OS 4.0「Ice Cream Sandwich」(ICS)を初めて採用したスマートフォン「Galaxy Nexus」が19日に香港で発表されたが、サムスン（Samsung）では同製品の開発にあたって、アップル（Apple）からの提訴を回避できるよう最善を尽くしたと、同社のモバイル端末部門責任者が語ったという。

韓国Yonhap News（聯合ニュース）によると、サムスンのモバイル端末部門を率いるシン・ジョンギュン（JK Shin/申宗均）氏は、発表前夜に行われた報道陣との会見のなかで、「Galaxy Nexus」について、アップルからの法的な攻撃を回避できるように設計したとしつつ、アップルによる提訴の可能性がまったくないとは言い切れないとも述べたという。

同氏は「特許の問題はとても複雑で、特定が難しい場合もある。しかし、サムスンはGalaxy Nexusの開発にあたり、アップルが権利を保有することがわかっている特許が同製品には1つも含まれないように確実を期した」とコメントしたという。

「Galaxy Nexus」は、19日開催のサムスン・グーグル（Google）合同イベントで発表された最新のAndroidスマートフォンで、Androidの最新バージョンである「Ice Cream Sandwitch」を搭載した初の端末となる。

サムスンは、Galaxyシリーズのスマートフォンおよびタブレット端末で使用されているデザインなどがアップルの所有する特許権の侵害にあたるとして、アップルから製品販売差し止めを求める訴えなどを複数の国で起こされている。

このうち、ドイツとオーストラリアではすでにアップルの主張が認められ、「Galaxy Tab 10.1」の販売仮差し止めを命じる判決が下されたほか、オランダでは「Galaxy S」「Galaxy S II」「Ace」の販売を認める条件としてこれら3機種に変更を加えることを余儀なくされている。

【参照情報】
・Galaxy Nexus designed to bypass Apple patents: Samsung mobile chief - Yonhap News
・Samsung Galaxy Nexus was built to avoid more Apple patent disputes - VentureBeat
・Galaxy Nexus has been Apple-proofed, Samsung says - CNET
・サムスンとグーグル、「Galaxy Nexus」を発表 - 「Ice Cream Sandwich」搭載
・ドコモ、Android 4.0搭載の「GALAXY NEXUS」を11月に発売
・サムスン、アップルに逆襲- 日本、豪で「iPhone 4S」の販売差し止め請求