カナダのリサーチ・イン・モーション（Research In Motion：以下、RIM）は、米国時間2日にフロリダ州オーランドで始まった「BlackBerry World 2012」カンファレンスで、同社が開発中の新OS「BlackBerry 10」（「BB 10」）のプロトタイプを公開した。

RIMのソーステン・ヘインズ（Thorsten Heins）CEOが、基調講演のなかで行ったデモでは、この新OSに搭載予定の、文字入力に最適化された新たなバーチャル・キーボードやマルチタスク機能、新たなカメラソフトウェアなど主な機能が紹介された。またカンファレンスに参加した開発者らにはプロトタイプ端末が配布された。

同社はとくにBB 10のバーチャル・キーボードについて、BlackBerryユーザーにとってタイピングが何よりも重要とし、独自の予測変換機能やミスタイプの修正機能など利便性に配慮したものと説明。

同社はまた、新たなプラットフォーム向けのアプリケーション開発を促進するため、BB 10OS向けの高質なアプリを作った開発者には、1万ドルの売上を保証するとし、売上が1万ドルに満たない場合も同社が残りの分を補填するという新たな試みを明らかにした。これは、第三者組織が品質を認め、少なくとも1000ドルの売上を上げたアプリが対象になるという。

調査会社のIDCとAppceleratorがアプリ開発者を対象に実施した調査では、iOSをあげた回答者が全体の89％、Androidをあげた回答者は79%だったのに対し、BlackBerryは16%に留まったという。また、現時点でのアプリ数はiPhone向けが60万種類、Android向けアプリ50万種類に対し、BlackBerry向けは6万種類にとどまり、なかでもBB10への移植が容易なRIM製タブレット「BlackBerry PlayBook」向けのアプリは1万種類程度しかないという。

【参照情報】
・Research In Motion Shows Off BlackBerry 10 Prototype - AllThingsD
・No new devices, but RIM talks up its virtual BlackBerry keypad - CNET
・RIM Woos App Developers in $13 Billion Market - Bloomberg
・BlackBerry 10: a closer look (video) - The Verge
・RIM guarantees developers will make $10,000 on their 'certified' BlackBerry 10 apps in first year - The Verge