クラウドベースのCRMなどを提供しているセールスフォース（Salesforce）が、ソーシャルメディアを使ったマーケティング支援サービスを手がけるバディメディア（Buddy Media)を6億8900万ドルで買収すると発表している。

セールスフォースの買収費用は最終的に7億4500万ドル規模になる見通しで、同社にとっては過去最大の買収となる。同社は昨年のラディアンシックス（Radian6）買収につづくこの動きを通じ、ソーシャルメディア関連のサービス強化をねらうという。

この話題を採り上げたWSJによると、セールスフォースのマーク・ベニオフ（Marc Benioff）CEOは、この買収について、顧客企業のマーケティング部門からのニーズ増加に対応するためのものと説明。WSJでは、向こう5年間で法人のテクノロジー支出の中心が情報関連部門からマーケティング部門に移るとする調査会社ガートナー（Gartner）の予測を紹介している。

先週には、セールスフォースと一部の分野で競合するオラクルが（Oracle）が、バディメディアと同種のサービスを提供するバーチュー（Vitrue）の買収を発表していた。

バディメディアやバーチューでは、顧客企業がFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを使って、ブランドや製品のプロモーションを効果的に実施し、その結果を計測するためのツール類を提供している。2007年に設立されたバディメディアでは、自動車メーカーのフォード（Ford）や、ヒューレットパッカード（Hewlett-Packard：HP）、それにインターパブリックグループ（Interpublic Group）の広告・マーケティング企業などと取引があるという。

セールスフォースは昨年、ソーシャルメディアのリアルタイム分析プラットフォームを手がけるラディアンシックスを3億2600万ドルでを買収していた。

【参照情報】
・Salesforce to Acquire Buddy Media for as Much as $745 Million - WSJ
・Salesforce to Buy Buddy for $745 Million in Social Push - Bloomberg
・Salesforce makes its biggest buy: pays $689M for Buddy Media - GigaOM