2000年代はじめに、音楽業界に衝撃を与えた音楽ファイル交換サービス「Napster」を立ち上げた2人ーーショーン・パーカー（Sean Parker）氏とショーン・ファニング（Shawn Fanning）氏が新たに手がけるビデオチャットサービスがついに正式発表された。ニューヨーク市で行われた発表イベントには、ラッパーのスヌープ・ドッグ（Snoop Dog）や俳優のジム・キャリー（Jim Carry）、歌手のアリシア・キーズ（Alicia Keys）など大勢の有名人もかけつけ、新サービスの発表に花を添えたという。

今回正式にローンチされた「Airtime」は、1対1での対話が楽しめるウェブベースのソーシャル・ビデオチャット・サービス。通常のチャットと同様、友人や知り合いとのコミュニケーションのほか、ランダムチャットサービス「Chatroulette」のようにまったく知らない相手ともビデオチャットできる点が特徴という。

Airtimeでは、かつてパーカー氏が社長を務めたこともあるFacebookのユーザーアカウントがデフォルトで使われる設定になっており、新たな登録手続きを省けるようになっている。また専用のソフトウェアをダウンロードする必要もないという。

Airtimeのユーザーは、似た傾向の興味を持つほかのユーザーと出会えたり、チャット相手といっしょにYouTubeの動画をお喋りしながらみることも可能。いっぽう、Chatrouletteで以前に問題化していたユーザーの不適切な振る舞いなどは回避できる仕組みになっているという。

このAirtimeのサービスについて、パーカー氏は、「FacebookやSkypeのようなネットワークサービス」とした上で、その目的が「リアルタイムなウェブの可能性を引き出し、人々に既存のソーシャルグラフでは限られている新たな出会いと自己表現の場を提供すること」にあると説明したという。

また、自分が早い時期に投資していたFacebookについて、パーカー氏は「新たなつながりを作ったり、新たな関係を発展させたりすることを手助けするものではない」との自説を披露。「セレンディピティ（偶然の出会い）がないFacebookは退屈」とした上で、それが新たなサービスを発表した理由の1つだと語ったという。

なお、Airtimeの会社自体は昨年創業で、すでに2度の資金調達を通じてあわせて3350万ドルの資金を確保。投資家のリストにも、クライナー・パーキンス（Kleiner Perkins）、アンドリーセン・ホロウィッツ（Andreessen Horowitz）、アクセル・パートナーズ（Accel Partners）、グーグル・ベンチャーズ（Google Ventures）といったシリコンバレーを代表する新旧のベンチャーキャピタル各社のほか、テッククランチ（Tech Cruch）を立ち上げたマイク・アーリントン（Mike Arrington）のベンチャーファンド、「スーパーエンジェル」の代表格として知られるロン・コンウェイ（Ron Conway）、グーグルのマリッサ・メイヤー（Marissa Mayer）、さらには人気俳優のアシュトン・カッチャー、ブラック・アイド・ピーズ（Black Eyed Peas）のメンバーでもあるラッパーのウィル・アイ・アム（will.i.am）などのハリウッド関係者も名を連ねている。

【参照情報】
・Stars align behind Airtime video chat, but is it Skype or Color? - GigaOM
・Sean Parker and Shawn Fanning's Airtime Finally Launches Today - ATD
・Facebook Backer Parker Calls Site Boring, Adds Video Chat - Bloomberg
・Sean Parker's Airtime Launch: Olivia Munn, Joel McHale, Jim Carrey & More Improvise As Event Unravels - Huffington Post
・Are You Okay With Airtime Secretly Taking Photos Of You While You're Video Chatting? - Forbes
・In Airtime Video Chat Reboot, Nudists Need Not Apply - Businessweek
・Fanning & Parker to launch Airtime: Here's what we know - GigaOM