マイクロソフト（Microsoft）は米国時間25日、ビジネス向けのソーシャルネットワーキングサービスを提供するヤマー（Yammer）を12億ドルで買収することで合意したと発表した。

マイクロソフトは買収後のヤマーを同社のオフィス部門に組み入れられる考えだが、経営については今後もデビッド・サックス（David Sacks）現CEOが担当することになるという。

ヤマーは2008年に元ペイパルCFOのデビッド・サックス氏などが創業。同社の提供するサービスは、イーベイ（EBay）や自動車メーカーのフォード（Ford Motors）などすでに20万社以上の企業で導入されており、ユーザー数はあわせて500万人以上にのぼり、フォーチュン500に名を連ねる大企業の85%で利用されているという。

マイクロソフトによれば、ヤマーは今後も独立したサービスとして運営されるという。また同社では「マイクロソフト・シェアポイント」（SharePoint）「Office 365」「マイクロソフト・ダイナミクス」（Microsoft Dynamics）スカイプ（Skype）などととの連携を進めていくという。

エンタープライズ分野の大手ソフトウェア企業が、ソーシャルメディア関連の新興企業を買収する動きはこのところ目立ってきている。最近でも、セールスフォース（Salesforce）がソーシャルメディアをつかったマーケティング支援ツールを提供するバディメディア（Buddy Media）を買収（セールスフォースではYammerと競合するChatterというサービスも提供）。また、オラクル（Oracle）でもバディメディアと競合するヴィトルー（Vitrue）を買収するなど、活発な動きが続いている。Bloombergによれば、エンタープライズ分野での企業買収は、2009年の7億1500万ドルから2011年には174億ドルまで拡大しているという。

なお、Yammerと競合するサービスとしては、前述のChatterのほか、ジャイブ（Jive Software）やアサナ（Asana）などがある。

【参照情報】
・Microsoft to Acquire Yammer - Microsoft
・Microsoft Agrees To Acquire Yammer For $1.2 Billion In Cash - Bloomberg
・Microsoft Confirms Worst Kept Secret Ever, Buying Yammer for $1.2 Billion - ATD
・Microsoft buys Yammer for $1.2 billion - ZDNet
・Microsoft's Ballmer: Yammer's 'viral adoption model' is key to $1.2 billion deal - GeekWire
・マイクロソフト、ビジネス向けSNS「Yammer」買収の可能性浮上