インテル（Intel）がインターネット経由のテレビ番組配信サービスや専用セットトップボックス（STB）の開発を進めていることは既報の通りだが、このインテル・メディア事業の譲渡に交渉がインテルとベライゾン（Verizon）との間で進んでいるとする関係者の話がAllThingsDで報じられている。

AllThingsDによれば、両社の交渉はかなり進んだ段階にあるものの、ベライゾンがインテル・メディア全体を譲り受けるのか、あるいはインテルが将来的に同事業の一部を保持するのかなどの具体的な点は、いまのところははっきりしていないという。

ベライゾンは、光ファイバー経由の動画配信サービス「FiOS」をすでに提供しているほか、ネットフリックス（Netflix）などと競合する「Redbox Instant」というオンラインDVDレンタル/ストリーミングサービスも保有。このため、ネットTVサービス開始において重要なケーブル事業者やコンテンツプロバイダーとの関係も良好と考えられる。

インテルは、BBCから引き抜いたエリック・ハガーズ（Erik Huggers）氏をインテル・メディアの責任者に据え、多数の人員をつぎ込んでネットTVサービスやSTBの開発を進めてきていることが伝えられていた。しかし最近では、番組コンテンツを保有する大手メディア企業（テレビ局）との交渉がまとまらず、サービス開始時期の遅れや計画中止の可能性も報じられていた。また、このなかで、資金繰りが苦しくなってきた同社が、アマゾン（Amazon）やサムスン（Samsung）に接近しているとする話も浮上していた。

【参照情報】
・Intel May Turn Over Its Web TV Project to Verizon - AllThingsD
・Intel to ditch Web TV project, hand it over to Verizon -- report - CNET
・Intel may leave delayed web TV service in Verizon's hands, says new report - The Verge