米ヤフー（Yahoo）は米国時間18日、同社のデータセンター間でやりとりされる通信を暗号化する計画を発表した。米国家安全保障局（NSA）などによるネット上でのデータ傍受が問題化するなか、具体的な対抗措置を打ち出したのは同社が初めて。

ヤフーのマリッサ・メイヤー（Marissa Mayer）CEOは公式ブログのなかで、データセンター間でやりとりされるあらゆる情報を2014年第1四半期中に暗号化すること、ユーザー向けにはYahooサービス関連で発生する全データ・トラフィックに暗号化のオプションを同四半期中に提供することなどを明らかにしている。また具体的な施策については、来年1月8日までにYahoo Mailのメッセージに2048bit鍵長のSSLを導入するとしている。

ヤフーの動きは、米英の諜報機関による広範な傍受活動に対して懸念や批判の声が高まっていることを受けたもの。先月末には、米国家安全保障局（NSA）と英政府通信本部（GCHQ）が、ヤフーおよびグーグル（Google）がそれぞれのデータセンター間に敷設した光ファイバーケーブルを流れるデータを傍受していたことが報じられていた。

なおグーグルでも、2011年以降同社サービスにログインしたユーザーに対してはデフォルトでSSL接続を適用している。また今年秋には、検索サービスを全てSSLにするなど、暗号化対策を進めている。

【参照情報】
・Our Commitment to Protecting Your Information - Yahoo
・Yahoo will encrypt between data centers, use SSL for all sites - Ars Technica
・Yahoo Locks Down Its Data Center Links From NSA's Prying Eyes - AllThingsD